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[社説]トランプも「100%支持」の南北対話

登録:2018-01-07 22:36 修正:2018-01-09 20:18
ドナルド・トランプ大統領が今月6日、キャンプデービッド山荘で記者会見を行っている=キャンプデービッド/UPI聯合ニュース

 韓国・北朝鮮が9日の高官級会談代表団の名簿を交換し、参加者の陣容を確定させた。韓国が代表団の名簿を伝達すると北もすばやく翌日に了解の返事をしてきた。両側が途切れた対話の糸を再びつなぐために着々と礎を築いている形だ。会談の代表者の格を巡って神経戦を繰り広げた過去の例と違って、比較的順調な滑り出しだ。

 統一部の長官と次官が同時に代表団に加わるのは異例であり、それだけ南北関係の改善に対する政府の意思が揺るぎない点を示している。北の代表団も南のそれと均衡を合わせている。平昌(ピョンチャン)五輪を契機に設けられた会談だが、その話題に限定するには南北関係はあまりに厳重で切迫した状態である。会談の入口は平昌五輪かもしれないが、出口は持続的な南北対話につながるべきである。統一部主体の今回の代表団の構成が安定した南北対話の枠組みを作る出発点になることを期待したい。もちろんまだ越えなければならない大きな山と険しい峠が山積みである。国際社会の対北朝鮮制裁の中で開かれる南北会談であり、政府が取れる選択肢は非常に限られている。まず平昌五輪の参加問題をうまく解決してから、離散家族再会、軍事会談など徐々に拡大していく近づき方が望ましい。こうした時であるだけに、大きな成果に固執せず対話の糸口を生かそうとする態度が重要だ。

 南北の対話再開は、「言葉の爆弾」を用いた軍事威嚇の他に適当な方法を見い出せなかった米国のトランプ大統領にも外交空間を開いている。トランプ大統領が北の金正恩(キム・ジョンウン)労働党委員長と対話の可能性も設けていたのもこのためだろう。平昌五輪の問題をうまくまとめられば、南北関係を越えて北朝鮮と米国の関係改善の糸口を見つけることもできることを示している。

 少なからず憂慮されるのは、南北の相次ぐ接触に過度なけちをつけようとしている国内の保守層の一部の動きだ。ささいな問題でもとにかくすきがあれば途方もなく拡大解釈して「韓米同盟亀裂」と大げさに騒ぐ。文在寅(ムン・ジェイン)大統領とトランプ大統領の4日の電話会談で「100%支持」の発言はなかったとけちをつけた朝鮮日報の報道が代表的な例だ。しかしトランプ氏はその後の記者会見で「私は100%(南北対話を)支持する」と公けに宣言した。

 果たして誰が韓米同盟に亀裂を作っているのか、問い直さざるをえない。自由韓国党が際立っている。南北が顔を合わせる前に「対話のための対話」とけなして「平昌五輪に朝鮮半島の旗がはためけば世界の人の冷笑を買うだけと憂慮される」と言い出している。2000年のシドニー五輪をはじめとして国際体育行事で朝鮮半島の旗が登場するたびに、国際社会は平和のための南北の努力に賛辞を惜しまなかった。成功的な平昌五輪開催の役に立たないばかりか、ようやく成り立った対話の雰囲気に冷水を浴びせていいのだろうか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/826641.html韓国語原文入力:2018-01-07 19:06
訳T.W

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