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[社説]“圧迫・対話”並行基調、国際社会の支持引き出してこそ

登録:2017-09-17 21:43 修正:2017-09-18 07:21
北朝鮮の朝鮮中央通信が16日に報道した中長距離弾道ミサイル(IRBM)火星-12型の発射場面/聯合ニュース

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が国連総会出席のために18日に出国する。文大統領は就任後初の国連総会演説を行い、韓米日首脳会談を開く。今年の国連総会の核心議題は、誰がなんと言おうと北朝鮮核問題であろう。総会直前に北朝鮮は核実験と中長距離ミサイル試験を実施し、国連安保理は新たな対北朝鮮制裁決議を全員一致で採択した。アントニオ・グテーレス国連事務総長は「(北朝鮮の核が)私たちが当面する最も危険な危機」と述べた。

 北朝鮮核危機の当事者として、文大統領の国連総会演説は全世界の注目をあびている。 どんな内容を盛り込むか悩みも深いだろう。北朝鮮が国連決議案にもかかわらず再びミサイル発射をするなど暴走している状況で、韓国が取る選択の幅は非常に狭いのは事実だ。対北朝鮮軍事行動まで挙論するトランプ米行政府の態度も考慮しなければならない。トランプは国連演説で高強度の北朝鮮圧迫を中国・ロシアをはじめすべての国に強く要求する予定だと米国のマスコミは報道した。

 新しい安保理決議案が全員一致で承認を受けた以上、文大統領が決議案の実質的で隙のない履行を国際社会に促すことは当然だ。しかし、制裁が対話の門を開く端緒にならなければならないという点もまた、国際社会の指導者に明確に認識させなければならない。北朝鮮核危機は、世界的視点で見れば北東アジアの秩序を揺るがし、全世界の平和を破りかねない非常に重大な事案であるためだ。

 究極的には、北朝鮮核問題が軍事的衝突ではなく対話と交渉という平和的方式を通じて解決されることが全世界の利益に符合するという点を国際社会の指導者に呼び覚ますことは緊要だ。今回の国連総会は、現政権の対北朝鮮政策基調が、トランプが言うように「北朝鮮に通じない」ものではなく、平和のために進むべき道だという点を国際社会に説明し、支持と同意を求める場にしなければならないだろう。

 現実的に、今が対北朝鮮制裁に焦点を合わせて米国との共助を強化し、中国・ロシアまで参加させるべき時期だという点を否定することは難しい。だが、トランプが追求する一方主義的な対外政策は、国際懸案を“平和と共存”という視角で解こうと考える多くの国々の願いと相反する側面が多い。ややもすれば米国の立場に同調するだけで、国際社会の冷淡な反応に直面しかねない。国連総会が、ベルリン宣言などで繰り返し明らかにしてきた“圧迫と対話”の並行基調が国際社会に認められる契機になることを願う。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/811328.html 韓国語原文入力:2017-09-17 18:57
訳J.S(1203字)

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