韓国政府が国際機構を通じて北朝鮮に人道的な支援をする策を検討しているという。ユニセフと世界食糧計画(WFP)などの国連傘下機構の要請で児童・妊婦保健事業などに800万ドルを支援するというものだ。北朝鮮に対する人道支援は、北朝鮮が4回目の核実験をする前の2015年12月に80万ドルを送ったのが最後だった。政府が南北交流協力推進協議会の議論を経てこの法案を成立させると、21カ月ぶりに対北朝鮮人道支援が再開され、文在寅(ムン・ジェイン)政権以降初めての北朝鮮支援となる。政府の今回の支援が最悪の南北関係を改善するのに青信号になることを願う。
南北関係は李明博(イ・ミョンバク)政権の時期に悪化し始め、朴槿恵(パク・クネ)政権で破綻状態になった。文政権発足直後にかすかながら改善の兆しが見えていたが、北朝鮮の相次ぐ弾道ミサイル発射と核実験で南北和解について語るのはむなしく感じられるほど悪化した。軍事政権時期以外で南北関係がこのように厳しく行き詰ったことはなかったのではないかというほど、状況は深刻だ。
しかし、このような対立状態が続くのは南北どちらの得になるものではない。北朝鮮を対話と交渉の場に呼び出すには制裁・圧迫中心の強硬策だけではならないということは、朝鮮半島問題の専門家たちのほぼ一致した見解だ。2006年以降、北朝鮮のミサイル・核開発に対して10回も国連安全保障理事会の制裁決議案が採択されたが、北朝鮮に実質的打撃を与えられなかったし、北朝鮮の政権を変えることもできなかった。11日に採択された決議も結果は変わらないという見方が多い。制裁・圧迫と共に対話の必要性はいっそう大きくなるほかない理由だ。
文政権は「対北朝鮮の人道的支援は政治的状況に関係なく推進する」という原則を明らかにしたことがある。今回の支援策はこのような原則を実行に移すものといえる。現在の南北関係はすべてのチャネルが断たれた状態だ。6月に南北が合意した「9月のテコンドー模範競技団北朝鮮訪問」までもが、朝鮮半島の緊張の高まりの中で、北朝鮮の拒否により失敗に終わった。このような断絶状態がさらに続いてはならない。政府の支援策が出されると、早くも一部では北朝鮮が核実験をするなかでなぜ北朝鮮を支援するのかと声を高めている。政府はこのような声に振り回されず屈せず、人道支援を継続して南北関係復元の道を開かなねばならない。
韓国語原文入力:2017-09-14 18:10