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[社説]限界表わした決議、結局交渉で解いてこそ

登録:2017-09-13 07:04 修正:2017-09-13 08:01
北朝鮮の6回目の核実験を受けて制裁決議案を採決する国連安全保障理事会の各国大使/EPA聯合ニュース

 国連安全保障理事会は11日(現地時間)、原油や石油製品の供給を約30%止め、北朝鮮産の繊維製品の輸入禁止、北朝鮮労働者の海外新規雇用全面禁止などが含まれた新しい対北朝鮮制裁決議を全会一致で採択した。原油などが制裁の対象になったのは初めてながら、原油の禁輸はなくなり、金正恩(キム・ジョンウン)北朝鮮労働党委員長に対する制裁は除かれるなど、当初米国が主導した超強硬原案からは大きく後退した。中国やロシアと妥協した結果だ。そのために北朝鮮は痛みを受けはするものの、国連決議によって態度が変化はしまいというのが大勢の見方である。

 今回の国連制裁決議ではっきり分かったのは、北朝鮮に対する圧迫の限界だ。中国、ロシアが同意しない限り制裁の実効性をあげることはできず、中国とロシアは米国の要求に素直に従わないという点を繰り返して確認した。

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領は6日のプーチン・ロシア大統領との首脳会談で「北朝鮮に対する原油供給の中断に協力してほしい」と要請した。しかしプーチンは「朝鮮半島の問題は制裁と圧力のみでは解決しない。感情にあおられて北朝鮮を行き止まりに追い詰めてはならず、緊張をあおる行為は避けるべきだ。原油の中断が病院などの民間に被害をもたらせると心配される」と断った。そしてわずか数日後、米国は中国やロシアと妥協して原油供給中断の要求を後回しにした。この過程で米国が韓国とどれほど協議したかは明確でない。韓国大統領府は国連の北朝鮮制裁決議を歓迎し、原油供給問題については「凍結が含まれ、30%の削減効果を得た。全く成果がなかったとは言わない」と自評した。困ったものだ。文大統領は最近、北朝鮮問題について「今は対話する時ではない」と繰り返し、強硬な態度を取っている。国内向け政治的としては効果があろうが、朝鮮半島問題の根本的な解決にどれくらい役に立つのか分からない。トランプ米政権は「軍事的オプション」と「対北朝鮮交渉」の両方を行き来し、常に発言を変えている。そのたびに韓国政府は韓米同盟を理由に米国の立場を追認するのに汲々としている。文政権は今からでも米国を北朝鮮との交渉に引き出しうるはっきりした政策的立場を立てねばならない。それでこそ中国やロシアも引き込み、実質的な核問題解決の端緒を開きうるはずだ。

韓国語原文入力:2017-09-12 19:07

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/810697.html 訳T.W

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