北朝鮮の6回目の核実験に対応した国連安全保障理事会(安保理)の新たな決議案議論で、米国が対北朝鮮圧迫を追加する方針を明確にした中、中国で北朝鮮国籍者がまともに銀行取引を行うことができない現実が改めて注目されている。
日本の共同通信は10日「中国銀行などの大規模な国有銀行が、北朝鮮人名義の新たな口座開設や既存の口座宛の送金など一部の取引を停止させたことが確認された」と報じた。同通信はまた、中朝関係の消息筋を引用し「取引の制限は昨年から次第に始まり、今年4月からは中朝貿易の拠点である遼寧省でも実施された」と伝えた。そして、吉林省延辺(延辺朝鮮族自治州)でも中国銀行・建設銀行・農業銀行などの大手銀行で、北朝鮮人対象の業務が中断されており、銀行の担当者は「北朝鮮に対する国際的制裁の影響」だと話したと報道した。
朝中間の銀行取引がきちんと行われていないというのは、初めてではない。2013年3回目の北朝鮮核実験後、中国銀行が北朝鮮の貿易決済銀行である朝鮮貿易銀行と取引を中断したことが代表的な例で、中国経済の急成長と共に、世界的規模で成長している中国系銀行が国際社会の対北朝鮮制裁の雰囲気の中で先頭に立って北朝鮮の資金作りに関与する可能性をなくし、問題の余地を除去してきたからだ。外交界では、これを安保理決議による処置でも、中国政府が取った措置でもなく、銀行の自主的な決定によるものと見ている。
貿易業者たちの話によると、朝中貿易の代金決済もこのような状況を考慮し、多様な代案を模索しているものとみられる。ある消息筋は、ハンギョレに「中国側の業者が自分の名義で中国の銀行に口座を作って銀行カードと共に(北朝鮮側の取引相手に)渡す場合もある」とし、「この場合、いかなる方式の制裁にも該当する可能性が全くない」と話した。また、別の消息筋は「現金で決済する場合が多いが、それでは大規模な取引が難しくなる」と話した。このほか、同じ金額の現物をやり取りする「物々交換」式の貿易もあるとされる。
一部では、このような理由から、北朝鮮に対する金融制裁の実効性に疑問を呈している。米国が作成した新決議案の草案には海外金融資産の凍結など金融制裁案が盛り込まれた。米国は今年6月末、中国の丹東銀行を「資金洗浄憂慮銀行」に指定し、制裁措置を発表したが、小規模地域銀行であるため、米国との取引が多くないという分析も出た。
しかし、金融制裁が、所期の“成果”をあげているという反論もある。共同通信は「北朝鮮による支払いが困難になり、中国での石油製品の輸出が急速に減少した」とし、中国海関資料を引用して、軽油、ガソリンなどの原油のほか、石油製品の5~7月の対北朝鮮輸出量が1万9700トンで、昨年より75%減少したと報じた。消息筋は同通信に「銀行規制によって石油製品代金の決済に支障が生じたことが重要な原因」だと話した。同通信は今春、平壌(ピョンヤン)で発生したガソリン価格の急騰が、このような中国の事実上の独自制裁措置によるものである可能性も示唆した。