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中国、制裁の履行と6カ国協議を共に強調…党大会後「解決策」を模索する見込み

登録:2017-09-13 02:20 修正:2017-09-13 07:39
安保理で対北朝鮮制裁案が通過 
耿爽外交部報道官 
「安保理決議の履行」明らかにし 
「THAAD、信頼に衝撃」同時に言及 
 
朝米間「一触即発」の緊張感に 
中国もこれ以上は制裁に反対できず 
「朝鮮半島の急変事態」代案作りの主張も
中国の劉結一国連大使が今月11日(現地時間)、国連安全保障理事会の新しい対北朝鮮制裁決議案の採決を控えて発言している=ニューヨーク/AP聯合ニュース

 中国政府は12日、国連安全保障理事会(安保理)の新しい対北朝鮮制裁決議(第2375号)と関連し、「今回通過した安保理決議は朝鮮(北朝鮮)の核・ミサイルプログラムに対し、一歩踏み込んだ措置を取って核不拡散体制を確実に保護すると共に、(朝鮮)半島および北東アジアの平和・安定の保護および外交・政治の方式を通じた問題解決の立場を再確認し、6カ国協議の再開と9・19共同声明を支持した」と説明した。(耿爽外交部報道官の定例記者会見)

 記者会見で、記者団は北朝鮮産の輸出制限などの制裁内容について質問したが、耿爽報道官は「中国は安保理関連決議を全面的かつ厳格に履行する」と答えただけで、具体的な説明はしなかった。今回の決議により、中朝国境地域の衣類の賃加工業界など中国側の被害は避けられない。北朝鮮の労働者を雇用した縫製工場はすでに先月の安保理決議(第2371号)で新規雇用・投資および拡大が不可能になった状態だ。

中国遼寧省丹東で、朝中を結ぶ鴨緑江大橋を渡った貨物トラックが中国の境内に入っている=丹東/キム・ウェヒョン特派員//ハンギョレ新聞社

 中国が一歩踏み込んだ制裁に賛成したのは、やむを得ない選択と評価されている。まず、米国の圧力が激しかったからだ。ある専門家は「ドナルド・トランプ米大統領が今年中に中国訪問を計画する状況で、中国は北朝鮮のために米国から圧迫を受けることを望んでいなかった」と話した。中国が主催したBRICS首脳会議の開幕と重なった北朝鮮の6回目の核実験の日付も、中国の背中を押した格好となった。手をこまねいているわけにはいかない状況に追い込まれたということだ。以前より迅速に、米国が当初公言した日程に合わせて安保理決議が出たのも、このような事情によるものと見られる。

 これまでのように、米国の要求に応えただけというのが大方の評価だが、中国でも徐々に広がりを見せている「北朝鮮の核懐疑論」に注目すべきと指摘する専門家もいる。北朝鮮の行き過ぎた行動に対し、米国が実際“行動”に乗り出せば、中国にとって北朝鮮は米国の影響力を遮断するための橋頭堡ではなく、衝突の入り口となりかねないという認識が広がっている。北京のある外交消息筋は「今年4月の韓米キーリゾルブ演習の際は、米国のオハイオ級原子力潜水艦2隻が朝鮮半島近くにあり、北朝鮮が核実験をすれば、直ちに対応する可能性もあった。中国が当時、積極的に自制を要求したのもこのためだ」と話した。朝米間の緊張度がいつになく高いだけに、中国も緊張しているということだ。

 これによって安定と自制だけを強調する従来の政策に対する反論も提起されている。北京大学の賈慶国教授は11日、海外学術誌への寄稿で、北朝鮮が引き続き地域の安定を脅かせば、韓米とともに「急変事態」への対応策をまとめるべきだと主張した。有事の際、北朝鮮の核と難民などの管理策をあらかじめ議論すべきといういうことだ。

 中国はとりあえず来月18日に開幕する共産党19回全国代表大会(党大会)まで国内の政治日程に集中し、周辺国の動向に神経を尖らせるものとみられる。今回の党大会は、指導部交代が予定されているだけに、朝鮮半島政策を含めた対外問題では最大限安定を追求する可能性が大きい。

 党大会以降、中国は周辺国と接触する機会が多くなる。トランプ大統領の訪中だけでなく、11月中旬に予定されたアジア太平洋経済協力(APEC)首脳会議なども、最高官級で朝鮮半島の懸案を話し合う場となる見込みだ。北朝鮮核6カ国協議の中国側首席代表に新たに就任した孔鉉佑朝鮮半島事務特別代表との初顔合わせを兼ねた訪朝など、北朝鮮と中国の高官級交流の可能性もあると見られる。政法大学の韓憲棟教授は「北朝鮮も党大会の状況を注意深く見守っている状況だ」と話した。

 一方、中国外交部は、新安保理決議の趣旨を説明する資料の最後の部分で、韓国へのTHAAD(高高度防衛ミサイル)配備が「(朝鮮)半島問題と関連し、各国の信頼と協力に衝撃を与えた」という立場を明らかにした。THAADが北朝鮮の核問題を複雑にしたという趣旨で、北朝鮮の核とTHAAD問題を分離対応してきた中国が、同じ文書で二つの問題を同時に取り上げたのは極めて異例のことだ。

北京/キム・ウェヒョン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/china/810727.html 韓国語原文入力:2017-09-12 22:00
訳H.J(2118字)