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[社説]5・18特別調査、完全な“真相究明”の契機となることを

登録:2017-08-23 22:53 修正:2017-08-24 08:10
3月20日、当時の共に民主党の大統領選候補だった文在寅大統領は、光州東区の全日ビル10階にある「5・18当時ヘリコプター射撃弾痕推定」発見地を訪ね、弾痕を見て徹底した真相究明を約束した//ハンギョレ新聞社

 文在寅(ムン・ジェイン)大統領が23日、5・18光州(クァンジュ)民主化運動当時、空軍戦闘機光州出撃待機の有無と全日ビルに向けたヘリコプター機銃射撃の2件に対して、国防部に特別調査を指示した。5・18と関連して大統領が事件を特定して真相調査を指示したのはこれが初めてだ。最近映画『タクシー運転手』などにより5・18に対する国民の関心が高まった状況で、大統領特別指示まで出てきただけに、完全な真相究明を期待する声がいつにもまして高い。

 5・18当時、戦闘機に光州出撃待機命令が下されていたということは、最近「JTBC」が戦闘機の操縦士の証言に基づいて報道した。市民軍が鎮圧軍を追いだして道庁を掌握した1980年5月21~22日、京畿道水原(スウォン)の第10戦闘飛行団に対し出撃待機命令が下され、光州に出撃すると承知していたとのことが証言内容だ。当時、地上の目標物を攻撃するための空対地爆弾で武装するよう指示が下されたという。新軍部が戦闘機で市民軍を爆撃する準備までしていたことが事実ならば衝撃的だ。立案の過程と責任者に対する徹底した調査が必要だ。

5・18記念財団は光州市民の情報提供で5・18当時使用されたと思われる薬莢を保管している=5・18記念財団提供//ハンギョレ新聞社

 全日ビルへのヘリコプター機銃射撃は、今年初め国立科学捜査研究院が自主調査を通じて確認した。戒厳軍が空中から市民に向けて射撃したという具体的情況であるわけだ。軍当局は以前まで「ヘリコプター射撃はなかった」と否認してきた。文大統領は大統領選挙前の今年3月、現地を自ら見てまわりもした。

 文大統領の特別指示は、これまでも機会があるたびに明らかにしてきた5・18真相究明の意志を一層明確にしたものだ。文大統領は5・18 37周年記念演説で「新政府は5・18民主化運動の真相を糾明することに一層大きな努力を傾ける」と述べた。最近、映画『タクシー運転手』を見た後には「光州民主化運動は常に光州に閉じ込められている気がしたが、今は国民の中に広がっているようだ」と語った。大統領の意志が改めて確認されただけに、軍当局は速度感をもって真相究明に乗り出さなければならない。

 特別調査を契機に、一層幅広く根本的な5・18対策も用意されなければならない。文大統領の公約事項である5・18精神を憲法前文に入れる問題をはじめ、5・18真相究明特別法と5・18歴史わい曲処罰法の制定を積極的に検討しなければならない。5・18が私たちの現代史に正確に位置づけられるよう、皆が努力を傾けなければならない時だ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/808008.html 韓国語原文入力:2017-08-23 17:58
訳J.S(1133字)

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