5・18民主化運動を歪曲した内容を削除しなければ「全斗煥回顧録」を出版・配布できなくなった。
光州(クァンジュ)地裁民事21部(裁判長パク・ギルソン)は4日、5月団体と5・18記念財団、故チョ・ビオ神父の遺族が全斗煥(チョン・ドゥファン)元大統領と息子であるチョン・ジェグク氏を相手取り起こした全斗煥回顧録の出版・配布禁止仮処分申請を受け入れた。
裁判所は「5・18当時、北朝鮮軍が介入しており、全元大統領は関与しておらず、ヘリコプター射撃や暴力による鎮圧はないという内容は、虚偽の事実」だとし、「歴史を歪曲して5月団体と遺族の人格権を侵害した」と明らかにした。
これにより、604ページ分量の回顧録第1巻で5・18団体が歪曲と指摘した33カ所の内容が削除されない限り、出版と配布、発行・印刷・複製・販売・広告などはできなくなった。これを違反すれば、申請人に1回当たり500万ウォン(約49万円)ずつを支給しなければならない。
5月団体は今年6月、回顧録第1巻の26~27ページにある「治癒と慰撫のためのシッキムクッ(鎮魂の儀式)に出す供え物(…)大統領になったことが原罪となることにより、その十字架は私が背負うことになった」という内容などを問題視して仮処分申請を出した。また、「戒厳軍は命の危険にさらされる直前までは、決して市民に向かって銃を向けなかった」や「北朝鮮特殊軍の介入情況という疑念を抱かせる」なども問題として指摘した。このような内容は、5・18事件の最高裁の判決を通じて明らかになった歴史的事実と法律的責任を根本から否定する表現だ。
キム・ヤンレ5・18記念財団常任理事は「法律的、歴史的責任を負うべき人が真実まで歪曲していることを許すことはできない。懲罰的損害賠償などで全斗煥を再び法廷に立たせ、5・18の真実を明らかにしなければならない」と話した。5月団体が提起した全斗煥回顧録損害賠償訴訟は光州で審理が進められている。
裁判所はまた、5月団体が評論家の池萬元(チ・マヌォン・75)氏に対して提起した5・18映像告発画報の発行・配布禁止仮処分申請も引用した。池氏は同画報で、5・18当時抗争に参加した市民を北朝鮮特殊軍と名指ししたことがある。
原文入力:2017-08-04 20:18