登録 : 2017.03.30 22:22 修正 : 2017.03.31 06:29

 最近2週間ほど米国ワシントンで朝鮮半島危機の体感指数が急に高まった。予後が良くない。葛藤緩和より葛藤悪化に向かっている。来週に米中首脳会談を控えた状況で、変動性が高いものの現時点ではそう感じられる。

 レックス・ティラーソン国務長官の韓中日歴訪以後、米国内の雰囲気は対北朝鮮強硬論側に動いている。ティラーソン長官の「対北朝鮮軍事行動の可能性」が雰囲気を煽った。発言の脈絡を見れば、「そこまで行く前に取りうる多くの措置がある」として、最後の手段として言及しいていた。それでも韓国同様に米国のマスコミも敏感に反応した。

 その上、ドナルド・トランプ大統領は野心作だった「トランプケア」(健康保険法)を下院に上程すらできなかった。「ロシアスキャンダル」も彼を固く締めつけて、国内政治で窮地に追い込まれている。加えて北朝鮮の核実験準備動向、ロケットエンジン試験が重なった。

 北朝鮮が緊張感を高揚させる行為をすれば、トランプ政権が極端な政策に誘惑を感じることもありうるという憂慮が出ている。マスコミや強硬派の専門家たちが「金正恩(キム・ジョンウン)政権交替」を挙論する回数も多くなった。韓国には国政に責任を負うべきコントロールタワーがない。「祈る心情で生きている」というワシントンのシンクタンクの韓国系専門家の憂慮が誇張とは言い切れないようだ。

 トランプ政権は対北朝鮮政策で「すべてのオプションを検討している」と言う。だが、現在までに具体化されたことは、高高度防衛ミサイル(THAAD)などを配備して対北朝鮮抑止力を高め「中国を通じて」対北朝鮮制裁を強化するという程度だ。昔の道具箱を検索している格好だ。こうなるとトランプ政権の任期が終わる4年後、「バラク・オバマ政権の対北朝鮮政策である『戦略的忍耐』は失敗した」というティラーソン長官の宣言は空念仏に終わる公算が大きい。

 オバマ政権の北朝鮮核問題解決法は、脅威を防ぐ次元のみで考えられてきた。それで失敗した。トランプ大統領には、事業家らしく戦略的利益最大化という側面からも北朝鮮との交渉を真剣に検討するよう薦めたい。ミャンマーとの関係正常化のように。

 ミャンマーも朝鮮半島のように米国と中国が互いに影響力を確保するために競争する地域だった。米国のあるシンクタンク専門家は、数年前に米国とミャンマーの関係正常化に関して「中国との外交戦争で勝利した」と話したことがある。中国が強く当惑したという裏話も聞かせた。

 中国の14個の陸上境界国のうち、比較的脅威が少ない境界隣接国家はミャンマーと北朝鮮だけであったが、今は唯一北朝鮮だけが残っている。米国が北朝鮮との関係正常化をするならば、THAAD配備以上に中国にとって脅威的でありうる。中国とロシアがうらやましがる羅津(ナジン)港に対する米国の影響力確保を通じて、二つの国家が太平洋に進出する通路を塞ぐこともできる。南シナ海に対する中国の集中度をかき乱すことも可能だ。

 ミャンマーと北朝鮮を比較することには多くの反論が提起されうることも分からないではない。ミャンマーには核がなかった。ミャンマーには外部企業がもの欲しげに見る地下資源が北朝鮮よりはるかに多かった。ミャンマーは北朝鮮より開放的だった。米国の軍需企業が途方もなく反発するだろう。

 だが、難関のない交渉はない。一方的に果実を取って食べることができる外交もない。バラク・オバマ政権がイランとキューバとの関係正常化に乗り出した時も、決して楽観的ではなかった。何よりも重要なことは、既存の枠組みでは絶対に北朝鮮核問題を解決できないということだ。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員//ハンギョレ新聞社

 トランプ政権は北朝鮮との核・ミサイルプログラム凍結交渉を真剣に考慮しつつ、それを越えて北朝鮮との関係正常化も戦略的視野に入れなければならない。それでこそ選択肢が広がる。そして、それが軍拡競争を通じて北東アジアを火薬庫にすることより中国を牽制するためのさらに確実で安全な方法だ。

イ・ヨンイン・ワシントン特派員 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017-03-30 18:13
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/788689.html 訳J.S(1793字)

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