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[社説]朝鮮半島の運命を米中に全面的に任せるな

登録:2017-03-19 22:06 修正:2017-03-20 07:39
中国を訪問したレックス・ティラーソン米国務長官(右)が19日、北京人民大会堂で習近平国家主席と両国の懸案と関係の発展策を話し合うため会談場に向かっている= 北京/EPA聯合ニュース

 米国のレックス・ティラーソン国務長官が15日から19日まで日本、韓国、中国を順に訪問した。3カ国全てで外相会談をし、首脳も表敬訪問した。ティラーソン長官は今回の訪問の特徴を「傾聴ツアー」と述べたもの、危機の絶頂にある朝鮮半島の状況や流動的な米中関係を考慮すると、韓国としては運命を分ける重要な歴訪と言っても過言ではない。

 ティラーソン長官は、日本ではアジアで米日同盟の重要性や、北朝鮮の核やミサイルの問題に対応するための韓米日3カ国協力の強化を強調し、韓国では北朝鮮に対する「戦略的忍耐」政策の失敗を認めて軍事的対策までを含む対北朝鮮強硬政策を示した。これと同時にトランプ大統領はツイッターを通じて「北朝鮮は米国を数年にわたってもて遊んだ。中国もほとんど助けにならなかった」と北と中国に対するメッセージを発信した。

 ティラーソン長官は最後の訪問地の中国では日本や韓国とは違って少し穏やかな表現をした。18日に開かれた王毅・外交部長との会談で「朝鮮半島の非核化と北朝鮮の方向を変えるための説得に共感」し、19日の習近平・主席との会談でも米中関係の発展のために協力することにした。

 しかしティラーソン長官が韓中日を歴訪して発表した北朝鮮に関するメッセージは全般的に強硬策に傾いていると言える。中国とは4月初めに予定されたトランプ・習近平の両首脳会談を控えており、異見の表明を避けた面があると見られる。しかし彼は今回の歴訪に唯一同行した米国のインターネット・メディア「インディペンデント・ジャーナル・レビュー」との機内会見で、北朝鮮が核兵器の開発を続けるなら「今日よりはるかに危険な立場に立つ我々と会うだろう」と、軍事的行動の可能性を一層露骨に表わした。

 このような点から4月初めの米中首脳会談は朝鮮半島の運命を「戦争と平和」の一方に片向ける決定的な契機になりうる。一層強い北朝鮮への圧力を中国に求める米国と、北朝鮮と米国の対話を通じた北の核問題の解決を強調する中国が接点を見出せなかった場合、朝鮮半島に大きな災いが近づくかも知れない。

 政府と与野党は朝鮮半島の運命が他の国の手によって不幸な方向へ行くことを防ぐために最大限の知恵と力を寄せなければならない時だ。現在、朝鮮戦争以後で危機度が最も高い時と言っても過言ではない。北朝鮮も軽挙妄動してはならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017/03/19 17:20

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/787096.html 原文: 訳T.W

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