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[社説]「大統領選挙・改憲国民投票」同時主張はごり押し中のごり押し

登録:2017-03-15 23:41 修正:2017-03-16 07:19
自由韓国党チョン・ウテク(右)、正しい政党チュ・ホヨン(左前)、国民の党チュ・スンヨン各院内代表が15日午前、国会貴賓食堂で改憲案関連議論を終え出てきている=聯合ニュース

 自由韓国党、国民の党、正しい政党が、第19代大統領選挙が行われる5月9日に改憲案国民投票を同時に実施することで15日合意した。現実性もなく、情けないことこの上もない主張だ。次期大統領を選ぶ重大な期間に、憲法改正問題も共に議論して同時に決めようというのが話になるだろうか。国民は眼中にもなく、ひたすら政略的利害によって改憲を口にする政党と国会議員は、猛省しなければならない。そうでなければ「ろうそく名誉革命」で中途退陣した朴槿恵(パク・クネ)前大統領のように、国会も国民の厳しい審判を免れないだろう。

 3党合意のとおりにするには、来週までに改憲案を発議し公告し、遅くとも4月初めには国会議決を終えなければならない。国会に改憲特別委が構成されているが、どのような内容を議論しているのか国民は全く知らない。にもかかわらず国会議員どうしで密室議論した案を国民投票にかけて改憲しようというのは「主権在民」の精神を根本から踏みにじる暴挙だ。3党間には「大統領と首相が権力を分け合う二元的政府制(分権型大統領制)改憲」に意見がまとまったようだが、国民の誰が彼らに好き勝手に権力構造を変えろと委任したのか。

 第1党である共に民主党が反対している状況で、大統領選挙前の改憲は現実的にも難しい。それでも改憲国民投票を公論化しようとする底意を察することは難しくない。これを通じて改憲賛成政治勢力をかき集め、文在寅(ムン・ジェイン)元代表が独走している大統領選挙の構図を大きく一度揺さぶってみようというのが本音だろう。選挙のために離合集散をすることは政治家たちの自由だとしよう。しかし、そのために憲法改正を使うのは許し難い。憲法改正はひたすら国民の意思を基盤に、時代の精神と未来の指向を正しく表わす方向で推進されなければならない。

 そうした点で、安哲秀(アン・チョルス)国民の党前代表が党指導部の改憲推進に反対し始めたことは評価に値する。安前代表は「国民の意思が反映されない改憲に反対する、自由韓国党は改憲より先に国民に対して犯した罪について処分を待たなければならない、改憲時期は公論化を経た後に来年の地方選挙時が適切」だと明らかにした。この3点が現時点で改憲問題に関する最も現実的な見解だと見る。今は次期大統領をしっかり選んで、国政空白を終わらせることにすべての力を傾ける時だ。政界は混乱を煽るだけの改憲議論を直ちに中断しなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/786629.html 韓国語原文入力:2017-03-15 17:17
訳J.S(1136字)

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