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[社説] THAAD問題は次期政府に任せるのが当然の道理だ

登録:2017-02-27 23:35 修正:2017-02-28 07:16
THAAD(高高度防衛ミサイル)配備用地に決定された慶尚北道星州郡草田面のロッテスカイヒルゴルフ場全景//ハンギョレ新聞社

 ロッテの理事会が27日、慶尚北道星州のゴルフ場をTHAAD(高高度防衛ミサイル)の敷地として国防部に提供し、京畿道南陽州(ナムヤンジュ)の軍所有地を代わりに受け取る計画を承認した。国防部としては、THAAD配備のための重要な峠を越えたわけだ。だが、THAAD問題の本質が変わらない以上、配備を急ぐのではなく次の政府が再検討できるようにするのが当然の道理だ。

 ロッテは今回の決定で相当な被害を受けることが明らかだ。中国側は敷地交換計画が発表された昨年11月以後、一斉税務調査など中国国内のロッテ企業に対する圧迫を強化してきた。中国の官営メディアは最近ロッテに対して「中国から出て行け」として、事実上全国的な不買運動を主張した。中国に進出した他の韓国企業や芸能人も、中国側の各種保護貿易措置と規制に苦しんだ。それでもロッテが結局、敷地交換計画を承認したのは政府の要求がそれだけ強かったためであろう。

 THAAD配備決定は、朴槿恵(パク・クネ)政権の主要失政の一つだ。検証されていない事案を独断的に決定し、軋轢が高まったが無理なゴリ押しで一貫した。THAADシステムは、首都圏の防御能力がまったくないなど、その効用性が相変らず論議の的だ。中国とロシアは自分たちを狙った米国のミサイル防御システムの一部分と見なしている。政府の主張どおり戦時に北朝鮮のミサイル攻撃を防ぐことに寄与するかは不確かだが、直ちに米中軍事対決の最前線になっているわけだ。こうした状況でTHAADの配備を強行するならば、それでなくとも深刻な北朝鮮の核・ミサイル問題を解くことも一層難しくならざるをえない。

 そのうえ、朴槿恵政権はまもなく下される憲法裁判所の大統領弾劾審判の結果とは別にしても、この懸案をリードできる主体ではない。朴槿恵政権の政策の中でも、特に外交・安保分野は綿密な再検討が必要だ。THAAD問題も「間違ったこと」という国民世論がはるかに強い。再検討の結果、THAAD配備を留保、または取り消す場合、韓米同盟に一定の負担を与えかねないが、それもまた次期政権が負うことになる。

 THAAD問題は朝鮮半島関連国に対する政策基調、北朝鮮の核問題に有効なアプローチ、韓国に適合した国防戦略を総合的に評価して、再判断しなければならない。米国の政策に黙って追従したり、高額な兵器を韓国に配備したからと言って、私たちの問題が解決できるわけではない。ロッテの今回の決定は終わりではなく、新しい始まりにならなければならない。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/784375.html 韓国語原文入力:2017-02-27 16:58
訳J.S(1164字)

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