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[社説]醜態と強情ばかりで終わった大統領の弾劾裁判

登録:2017-02-27 22:26 修正:2017-02-28 07:25
大統領代理人団のソ・ソクク弁護士が2月14日、憲法裁判所大審判廷に入るやいなやカバンに入れていた太極旗を取り出し広げて見せ、憲法裁職員の制止を受けている=写真・共同取材団//ハンギョレ新聞社

 憲法裁判所は27日、朴槿恵(パク・クネ)大統領の弾劾裁判の弁論を終えた。憲法裁は国会の審判請求後81日間全20回の審判を開いて証拠を調べて弁論を聞いた。今後は評議の末に下される憲法裁の決定を国民皆が切実に待つだろう。

 今回の審判は、現職の大統領が国民と歴史の審判に立った、憲政史の一大事である。憲法と法律を破った大統領を弾劾審判の場に立てたのは主権者である国民だ。憲政を蹂躪した結果はもちろん、弾劾審判の始終は再び全て歴史の審判に委ねられる。憲政と法治がいかに脅かされたか、それをいかに正したかは我々の民主主義の貴重な栄養素にしなければならない。

 弾劾の理由は十分に立証されたようだ。大統領は主権者が委任した権力を秘線(影のライン)であるチェ・スンシル氏らに丸投げし、さらにチェ氏の私益の追求に協力したことは、これに関わった者たちの証言や提出された証拠を通して事実と確認された。憲法上国民主権主義と代議民主主義が損ねられたのは明らかだ。「セウォル号沈没の7時間」に大統領が何もしていなかったことも分かった。国民の安全を守らねばならない憲法義務の違反だ。官僚らをむやみに人事異動した任命権の乱用も明らかになった。財団の出資金やチョン・ユラ氏の支援を理由にして企業から金を集めたことについては職権乱用や強要に加えてわいろ疑惑まで明らかになったしだいだ。違法ぶりは、大統領職をとうてい維持できないほど重大である。

 それなのに大統領は最終弁論に至るまですべての誤りをことごとく否認した。過去数カ月の捜査と裁判、審判を通じて自身の犯罪疑惑と憲政蹂躪の罪が当初知らされたよりはるかに深刻で重大さが明白になったのに、一貫して、ただ「分からない」「くやしい」ばかりだった。関係者の自白や証言も最初から知らんぷりしている。誤りを恥じることもできないので、誤りに対する省察と国のための決断などは最初から期待することもできない。

 大統領の弁護団も見苦しい姿だ。弁論の大部分をとんでもないごり押しと政治的扇動で満たした。訴追理由の本質を正面から反論するどころかあらゆる手法で審判を遅延させて核心を濁らすことにばかり没頭した。裁判官まで攻撃したかと思えば、今度は国会の弾劾訴追過程や憲法裁の裁判部の欠員を後から是非を問うて憲法裁の決定に「不服だ」とおどかしている。実に卑劣な醜態ぶりだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017/02/27 17:56

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/784400.html 原文: 訳T.W

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