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[社説]新ミサイル体制のために訪韓したような米国防長官

登録:2017-02-03 21:55 修正:2017-02-04 08:39
ハン・ミング国防部長官(右)とジェームズ・マティス米国防長官が3日午前、ソウル龍山の国防部展示室で韓米国防長官会談を開くに先立ち、冒頭発言を行っている=パク・ジョンシク記者//ハンギョレ新聞社

 トランプ政権の発足以後初めての韓米国防長官会談が3日、ソウルで開かれた。米国の新政権でも韓米同盟がしっかりと維持強化されると確認する場になった。しかし北朝鮮の核問題の解決策に関連した実質的な議論はなく、韓国の高高度防衛ミサイル(THAAD)体制の朝鮮半島配備の強行に対する中国とロシアの反発はさらに大きくなる見込みである。

 米国が国防長官初の訪問地に韓国と日本を選んだことは韓米日三角協力強化と北朝鮮に対する対応を重視していることを示している。マティス長官は「同盟国の防御と拡張抑制力維持は鉄壁だ」と説明した。米国のこのような態度は今年に入って大陸間弾道ミサイル試験の発射について繰り返し言及してきた北朝鮮の挑発行為を抑制する効果があると見られる。両国が3月に実施されるキーリゾルブ合同訓練を強化することにしたのもそのような趣旨だ。しかし戦略武器を大挙動員して攻撃的訓練を繰り広げた場合、朝鮮半島の緊張が高まるだけで、核問題に対する歩み寄りはさらに厳しくなりやすい。

 マティス長官は24時間ほどの短い訪韓中にTHAADの配備を押し切ると何度も表明した。訪韓の最大の目的が「THAAD配備固め」のようにすら感じられる。このような動きは中国やロシアを刺激して朝鮮半島と北東アジアの安保情勢を悪化させ、核問題解決策の議論の障害物になりかねない。これに関連して駐韓ロシア大使は3日「THAAD配備がなされれば自国の安全のために一定の措置を取るほかはない」と明かした。中国に続いてロシアのTHAAD反対の主張もいっそう高まる様子である。

 マティス長官の今回の歴訪は北朝鮮だけでなく中国にも警告メッセージを送る意味がある。トランプ大統領が公言してきた対中国圧迫を本格化させるのに先立って、韓米日の協力体制を固めようとしているのだ。我が国は今後韓米日の軍事安保協力強化の求めによって具体化していくこのような動きに対して、バランス感覚を持って対処する必要がある。核問題の解決と朝鮮半島と北東アジアの平和構造構築の可能性を高めることを我々の原則にすべきである。

 韓米の間には駐韓米軍の駐留費分担金の増額と戦時作戦権の返還など同盟の運用に関する問題もある。近いうち提起されるこれら事案では信義・誠実の原則が明確に守られなければならない。それ以前に解決されるべきことはTHAAD問題だ。遠からず構成される新政権の最優先課題のうちの一つである。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2017/02/03 17:22(1126字)

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/781244.html 訳T.W

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