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[社説]国民をムカつかせた朴大統領の「居直りインタビュー」

登録:2017-01-26 23:13 修正:2017-01-27 05:56
インターネット放送「チョン・キュジェTV」画面キャプチャー//ハンギョレ新聞社

 朴槿恵(パククネ)の名の後に常に大統領という呼称を付けるのが正しいのか。今や単に朴槿恵氏と呼ぶか、そうでなければ最初から氏という呼称も省かなければならないのではないか。朴大統領が25日「チョン・キュジェTV」に出演してインタビュー内容に接してこみあげてきた思いだ。それは端的に言えば魂の抜けた人の愚痴で、気のおかしくなった人の横暴だった。「嘘で築き上げた泰山」。朴大統領がチェスンシル・ゲート陰謀説を訴えて口にしたこの言葉は彼女自身に対する正確な描写である。そして「嘘の巨大な山」を前にして国民は絶望し、怒る。

 朴大統領がこのたび突然インタビューをした理由は明らかだ。タマネギの皮をむくように徐々に現れる彼女自身の憲法蹂躪、影の実力者による国政私物化の実態に対して怒っている市民の意識をなだめようとする必死のあがきだ。「審判の日」が日に日に近づいて焦りだしたあげく、自分を何とか被害者に仕立てて同情を呼び起こして、存在すらしない陰謀説をあおって極右保守勢力の蜂起を扇動しようとする浅はかな意図である。

 朴大統領側の反撃は同時多発的だ。同じ日の午前にチェ・スンシル氏は特検に逮捕されて出席して「くやしい」「自由民主主義の特検ではない」と声高にわめきたてた。朴大統領とチェ氏はやはり最後まで「一体」である。チェ氏の弁護人のイ・ギョンジェ弁護士もまた26日に記者会見を行い、パク・ヨンス特検チームがチェ氏に暴言を加えるなどの人権侵害の捜査をしていると訴えた。旧正月に高まる民意を狙って緻密に仕組んだ筋書きが本格的に働いている様子だ。

 朴大統領とインタビューをした「韓国経済」のチョン・キュジェ主筆もまた言論人ではなく朴大統領陣営の主要攻撃係と呼ぶのが正しい。彼の極右偏向指向は仕方ないとしても、言論人なら当然守るべきインタビューの基本常識まですっかり無視している。「4大勢力が同盟軍を作って大統領を包囲して沈没させているような格好である」などの言葉はどれもインタビューの質問ではなく、あらかじめ仕込んでおいた脚本のセリフに過ぎない。「言葉を覚え始めた子供レベル」とまで言われるほど意思伝達がまともにできない朴大統領が、比較的でたらめにしゃべらずに自身の主張を繰り広げたのも事前の脚本のおかげであろう。チョン氏が用意したステージで朴大統領は魂の抜けた踊りを存分に踊った。

 ところでインタビューを見た市民の意識の変化は朴大統領の希望とは正反対に向かっている。同情の代わりに軽蔑が、陰謀説に対する疑惑の代わりに怒りが、噴出している。朴大統領が世論戦を繰り広げるたびに状況は一層悪化してきたが、今回のインタビューは決定的だ。チェ・スンシル氏の無法ぶりを見ていた清掃係のおばさんが言い放った「御大層に」という叱りは、朴大統領にもそっくり当てはまる。朴大統領はもうこれ以上陰に隠れて世論ふざけをせずに憲法裁判所と特検に出向いて証言すべきだ。そこでも「御大層な嘘」が通じるか一度見てやりたいものだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力:2017/01/26 17:17

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/780379.html 原文: 訳T.W

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