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[社説]潘基文事務総長は裏金疑惑の捜査に自ら応ぜよ

登録:2016-12-26 22:15 修正:2016-12-27 05:54
潘基文国連事務総長が20日(現地時間)、米ニューヨークの国連本部で開かれた韓国特派員との記者会見で発言している=ニューヨーク/聯合ニュース

 潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が韓国大統領選への出場意向を示すやいなや「23万ドル授受説」に巻き込まれた。潘総長は自分がテガン実業のパク・ヨンチャ元会長から23万ドルを受け取ったという疑惑を否認し、このような内容を報道した時事ジャーナルを相手に記事の削除と謝罪を要求した。しかし時事ジャーナルはこのような要求を一蹴し、むしろ潘総長の息子がSKテレコムから便宜を受けたという疑惑を新たに提起した。潘総長に対する検証は予想外にはやく展開している模様である。

 潘総長がぶつかった最初の検証台が金銭疑惑という点は意外だった。生涯を公職者として生活してきた経歴上、清廉度の面では特別な問題はないはずというのが大方の見方だったためだ。潘総長としてはこの関門をまともにクリアできなければ大統領選への公式立候補もできず、レースを降りるほかない状態だ。さらに中央日報は2009年の「パクヨンチャ・ゲート」の捜査の際にパク会長が潘総長に金銭を渡していたと述べ、この陳述は内偵記録報告書の形で今も検察内に保管されていると報道した。潘総長の否認にもかかわらず疑惑は一層広まっている。

 金品授受の疑惑は事案の特性上、真偽を見分けるのはかなり難しい。この事件の場合、法律的に時効が成立しているだけに検察が再び捜査に入る可能性は低い。結局、真実を糾明できる唯一の道は潘総長がこのような疑惑を提起した報道機関を名誉毀損の疑いで告訴し、これを契機に検察が事実確認をするほかない。大統領選の候補予定者が報道機関の検証報道に法的対応でいそしむことは必ずしも良いことではないが、すでにそのような問題をただすには状況はあまりに深刻化している。

 大統領選挙の候補予定者に対する検証は苛酷と感じるほど徹底するのが国民にとっては望ましい。提起された疑惑を曖昧にしてやり過ごすことが、いかに致命的な結果につながるかは私たちは朴槿恵大統領の例を通じてはっきりと目撃した。大統領選候補予定者の価値観、道徳性、国政運営能力など個人の検証だけでなく彼の周辺人物、所属した集団などに対する広範囲な検証が必須である。潘総長の検証はまだ始まったばかりだ。道徳性と正直さで明快な解答を得られなければ検証がさらに進展することは望めない。金品授受を巡ってたいくつな堂々巡りにならないよう潘総長が自ら積極的に出るよう願いたい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/12/26 17:54

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/776180.html 原文: 訳T.W(1130字)

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