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再び火がついた「第3地帯連帯論」

登録:2016-12-21 01:12 修正:2016-12-21 07:03
離党する非朴系、帰国する潘基文、改憲主張する孫鶴圭など 
共に民主党でも、親朴のセヌリ党でもない「第3地帯」の勢力化に注目集まる 
 
支持率低迷する国民の党、第3地帯に食い込む戦略 
安哲秀と孫鶴圭が接触…今後、党対党の統合可能性も 
国民の党のキム・ドンチョルと朴智元は、潘総長・セヌリ党非朴系との連帯を模索
孫鶴圭・元民主党代表が13日午後、ソウル龍山区孝昌路にある白凡記念館で開かれた自分のシンクタンク、東アジア未来フォーラムの創立10周年記念式で、安哲秀前国民の党代表と握手をかわしている=イ・ジョンウ先任記者//ハンギョレ新聞社

 「ポスト弾劾政局」に入り、しばらく落ち着きを見せていた政界の「第3地帯連帯」の動きが再び頭をもたげている。共に民主党が18年ぶりに最高の支持率(40%・韓国ギャラップ)を記録している中、セヌリ党の分裂が可視化され、有力な大統領選挙候補である潘基文(パン・ギムン)国連事務総長が帰国するなど様々な要因があいまって、早期の大統領選挙を控えて政界の思惑も複雑になっている。

 共に民主党は、文在寅(ムン・ジェイン)元代表が安定的に1位を維持しており、イ・ジェミョン城南(ソンナム)市長が急浮上するなど、大統領選挙候補らの善戦と共に、政党支持率も上昇し、求心力が高まっている。一方、セヌリ党は、明確な大統領候補が見えない状況で、親朴と非朴に分裂する状況に追い込まれた。潘総長も以前には朴大統領と親朴系の支持に頼っていたが、弾劾政局を経て態度が変わった。彼は最近、「国民は国家のリーダーシップに送った信頼が裏切られたと思っている」とし、朴大統領とは一線を画した。親朴系議員が掌握しているセヌリ党には入る意思がないことを示唆したのだ。

 親朴系と決別した非朴系、1月はじめか中旬頃に帰国する予定の潘総長が、共に民主党でも、セヌリ党でもない“第3地帯のどこかで”力を結集しながら、志を共にする勢力と手を組んでいくと予想されるのも、そのためだ。現在、既存の政党体制の外にとどまりながら、第3地帯に希望をかけている大統領選候補の中には「第7共和国」を掲げて改憲を強く主張している孫鶴圭(ソン・ハッキュ)元民主党代表などがいる。

 安哲秀(アン・チョルス)前代表個人だけでなく、政党の支持率が低迷している国民の党は、第3地帯の可能性が開かれる局面に狙いを定める構えだ。ひとまず、安前代表は孫元代表との接触を強化している。二人は今月初めに会って、帝王的大統領制の弊害など改憲の必要性について議論したという。安前代表は同日、記者団に「大韓民国の未来のために合理的な改革が必要であり、その志を共にする多くの方々にお会いして、様々なことを話し合っている」として、孫元代表との連帯の可能性を残した。孫元代表側も「国民の党への入党を考慮したことはないが、選挙で勝利するためには、いつかは国民の党と行動を共にするしかない」と話した。孫元代表が改憲を掲げた「国民主権改革会議」の構成を基盤とした独自勢力化を推進しているだけに、今後、党対党の統合も考慮できるということだ。孫元代表側の関係者は「両方とも(親朴槿恵系、親文在寅系など)与野党の両極端の勢力を排除した合理的な中間地帯の政治勢力が団結すべきという立場を示しており、(行動を)共にする名分はある」と話した。

 国民の党は、孫元代表のほかにも第3地帯勢力を包容するために“網”を広げている。潘総長とセヌリ党の非朴系をすべて一つにまとめようということだ。キム・ドンチョル非常対策委員長は最近、「セヌリ党非朴系との価値連帯もあり得る」、「潘基文事務総長も、共通の価値を共有しているなら、国民の党が連帯のプラットフォームの役割を果たすこともできる」と話した。朴智元(パク・チウォン)院内代表も、国民の党が中心になって保守派と中道派を網羅する相乗効果をあげる方法を構想している。しかし、党の有力な大統領選挙候補である安前代表がセヌリ党の非朴系との連帯には難色を示しており、第3地帯の具体的な地形が決まるまでには、やや時間がかかるものとみられる。

イ・ジョンエ記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/politics/politics_general/775446.html 韓国語原文入力:2016-12-20 22:03
訳H.J(1910字)

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