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[記者手帳]活発なほうが望ましい議員外交であるはず…

登録:2016-08-08 23:25 修正:2016-08-09 07:19
共に民主党所属の新人議員らが8日(現地時間)、中国の北京大国際関係学院で中国教授らと座談会をしている//ハンギョレ新聞社

 中華人民共和国(中国)は大韓民国(韓国)の敵国ではない。韓国政府が発行したパスポートと中国政府が発行したビザがあれば、韓国人なら誰でも中国に行くことができる。中国は外交部が指定した旅行禁止・制限国家でもない。外交部が「旅行留意」(中朝国境地域)と「旅行の自制」(チベット・新疆ウイグル自治区)の勧告を行った地域を除けば何の制限もない。共に民主党の初当選議員6人が訪問する中国の首都北京は、訪問に何の制限もないところだ。昨年中国を訪問した韓国人は444万4千人で、もっとも多くの韓国人が訪れた国となった。

 ところが、大統領及び大統領府と与党セヌリ党は、共に民主党議員たちを「中国に行くな」と引き止めている。なぜなのか。大統領府は7日、キム・ソンウ広報首席が発表した「立場」で、共に民主党議員らの訪中を「隣国の機嫌をうかがっている」と批判した。8日には大統領が直接乗り出した。表現が7日の「大統領府の立場」とは比べ物にならないほど強硬になった。大統領は「安保問題においては、価値観と政治的見解による違いなど存在しない」と言い切った。にもかかわらず「一部議員らが中国の立場に同調」し、「政界の一部で(中略)北朝鮮の主張と脈絡を共にする荒唐無稽な主張」をしていると非難した。こうして大統領が前面に出て「血を吐くような思い」で引き留めたにもかかわらず、共に民主党議員6人が訪中日程を予定通り進めたことに対し、セヌリ党のチ・サンウク報道官は「議員外交を装った新しい中国事大主義」と断じたうえで、「もはや大韓民国には294人の国会議員だけが存在する」と宣言した。セヌリ党のチョン・ジンソク院内代表は共に民主党議員の訪中を「売国」とまで表現した。

 親北(朝鮮)、新中国事大主義、売国…。耳にするだけで恐ろしくなるような言葉だ。乱暴な言葉が飛び交う際には口げんかを避けたほうがいい。その代わりに政治共同体として大韓民国の国民なら、誰でも必ず守らなければならない憲法を見てみよう。憲法は「複数政党制」(第8条第1項)を保障する。「異なる政見」の組織や公表行為を憲法で保障している。安保問題も同じだ。憲法第60条は、安全保障に関する条約や宣戦布告、外国への国軍の派遣などに対する国会の同意権を明示している。国会は政見が異なる様々な政党に属した300人の国会議員で構成され、国会議員は一人ひとりが憲法機関に他ならない。大統領の発言のように「安保問題においては価値観と政治的見解による違いなど存在しない」なら、なぜ憲法にこのような規定があるのだろうか。むしろ大統領の発言の方が憲法に反している。

イ・ジェフン記者//ハンギョレ新聞社

 共に民主党議員6人が訪中し、「在韓米軍への高高度防衛ミサイル(THAAD)配備の決定」以降の中国社会各界の意見を聞いて、最近の韓中の対立と関連した韓国社会の憂慮を伝えるのは、国会議員としての権利であると共に義務である。議員外交は活発であればあるほど望ましい。セヌリ党も訪中議員団を構成してほしい。与野党議員がともに参加する訪中議員団もいいだろう。

イ・ジェフン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)

韓国語原文入力: 2016-08-08 19:01

https://www.hani.co.kr/arti/politics/diplomacy/755718.html 訳H.J

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