登録 : 2016.03.14 06:20 修正 : 2016.03.14 06:35

 日本でも韓国でも、野党が弱体化している。与党は権力を分かち合うという動機が働くため、多少の違いに目をつぶって、一体性を守ろうとする。日韓両国の野党は、理屈で政府与党をやっつけようとするため、議論を好む。そうすると小さな違いに関心が集まり、大同団結することが難しくなる。政府与党が圧倒的な人気を博しているわけではないにもかかわらず、そして政府に対抗する強い野党を求める市民が大勢いるにもかかわらず、野党陣営では内輪もめばかりが目立つこととなる。

 日本では昨年夏の安保法制反対運動を戦った市民から、安倍晋三政権の暴走を止めるために野党が協力することが不可欠だという声が上がっている。これを受けて、共産党の志位和夫委員長は、今年7月の参議院選挙、特に定数1の地方の選挙区で、野党協力を実現しようという提案を昨年9月から行ってきた。しかし、最大野党の民主党が共産党との協力に消極的で、野党結集の機運はなかなか高まらなかった。

 2月19日、5つの野党が安保法制を廃止する法案を国会に提出し、ようやく野党協力の体制ができた。特に、参議院選挙の1人区では、野党統一候補の擁立が急ピッチで進みつつある。時間はかかったが、ともかく野党の協力体制ができ、参議院選挙は白熱した競争になる見通しも出てきた。

 野党協力を実現したのは、一般市民の熱意である。私たち、安保法制に反対した学者、学生、母親団体などは、昨年12月に市民連合という団体を結成し、野党の協力を呼び掛けてきた。そしてこの動きに呼応するように、東京の私たちが呼びかけなくても、全国各地で市民が自発的に集まって地方版の市民連合を結成し、野党統一候補の擁立を働きかけた。今までの日本政治では、アマチュアの市民とプロの政党政治家の間には、厚い壁が存在した。政治的な関心を持つ市民も、消極的な存在であり、政党が提示した候補者の中から好みの人を選ぶという役割にとどまっていた。

 しかし、今年の参議院選挙に向けて、一般の市民が運動を組織し、政党に働きかけ、場所によっては魅力ある候補者を自ら探し出し、政党に提示するという動きを起こすようになった。これは日本の政党政治史上、画期的な出来事である。

 この現象は、今アメリカで繰り広げられている大統領候補指名のための予備選挙にも似ている。アメリカでは、政党のリーダーが候補を決めることに反発した市民が、候補者選定の段階から市民参加を進めよと叫び、今から百年前くらいに予備選挙という仕組みを考え出した。今年は、共和党側ではアウトサイダーであるドナルド・トランプ氏の躍進をもたらしている。また、民主党側では、民主社会主義者を自称するバーニー・サンダース上院議員の善戦をもたらしている。サンダース氏が大統領候補の指名を得ることは現実には難しいだろう。しかし、彼の政策、大学学費無料化、最低賃金引き上げ、国民皆保険などは、民主党の大統領候補、おそらくヒラリー・クリントン氏に、大きな影響を与えることになる。彼女が民主党支持者を固めるためには、サンダース氏の政策を取り入れざるを得ないのだ。

山口二郎・法政大学法学科教授 //ハンギョレ新聞社
 昨年夏の安保法制反対運動は、日本の政治における政党と市民の壁をある程度崩したということができる。日本の市民は、だらしない野党に対して叱咤激励し、自分たちが動くことで選挙を戦うより幅広い体制を作るという提案をするまでに、力をつけている。

 安倍政権は憲法改正を参議院選挙の最大争点に据えようとしている。まさにこの選挙は戦後日本の命運を左右する選挙となる。多くの市民が日本政治の原理について危機感を持ち、投票率が上がるならば、安倍政権といえども、市民の厳しい反発に直面することになる。民主党と維新の党が合併するという再編成が進んでいるが、これも市民との対話を通した新党結成という形にしなければならない。

山口二郎・法政大学法学科教授(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016-03-13 21:14

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/734752.html

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