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[社説]開城工団の商品乏しいロッテの「開城バザー」

登録:2016-02-25 07:00 修正:2016-02-25 08:33
ロッテ百貨店本店はハンギョレの取材があるとすぐ、23日午前11時過ぎから「現在イベント進行中のブランドは開城工業団地バザー会と関連ないイベントであることをお知らせします」という案内文を会場に出した//ハンギョレ新聞社

 韓国のロッテ百貨店が開城(ケソン)工業団地に入居する協力会社のための「開城工団ファッション大バザー会」を19日から開いている。同工団の閉鎖で大きな被害を受けた企業を助けてほしいという政府の要請に応じて開いたイベントだ。黄教安(ファンギョアン)首相が21日、会場を訪れて「大・中小企業共生協力の模範事例」と称えることもあった。ところが、会場で実際に売られている製品は同工団で生産したものはあまりなく、同工団の共同ブランドはもともと参加を呼びかけもしなかったという。誰のためのイベントだったのか実に理解し難い。

 ロッテ百貨店は25日まで本店と永登浦店で開いている今回のイベントに、開城工団で商品を生産している協力会社34社のうち14社で約30のブランドが参加すると表明した。80億余ウォン分(約7億3千万円)の物品を準備し、高額購買者には商品券を配る謝恩サービスもすると広報している。イベント名が「開城工団ファッションバザー」であるだけに、同工団の製品を売るとして受け入れるだけのことはあった。しかし売り場に陳列された商品の中で原産地が開城の製品は3、4割しかなかったという。同工団の企業の元請け企業等も同工団より外国で生産した製品の方を多く売ったという。

 開城工団の在庫品を大量に抱えていられない企業が他の場所で作った在庫も大量に売って資金を確保するように助けることは理解できる。しかしロッテ百貨店は同工団とは何の関係もない女性服5社のブランド品も今回のイベントに参加させている。その一方で公団の企業が開城で生産した共同ブランド「シスブロ」や、同工団製品を一手に販売している開城工団商会にはイベント参加の提案もしなかったという。最も被害が大きく、販路がなくて行き詰っているところは冷遇した有様である。

 突然の工団の撤収で入居企業は現在見通しが立っていない。南北経済協力保険に加入していない一部の企業は存立を心配するほどだ。もちろんロッテ百貨店が商品代金を普段より20日繰り上げて支給することにし、イベントのマージンを最大20%引き下げたことは拍手されるべきことだ。しかし本当に被害企業の役に立ちたいと思うなら、それにふさわしいように行事を準備すべきだった。パートナー社でないとして敬遠された企業に傷をつけ、被害企業を助けようという気持ちで会場を訪れたお客さんも混乱させたのだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/02/24 01:17

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/731824.html 訳T.W

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