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[社説]海外広報放送「アリランTV」社長の道徳知らず

登録:2016-02-03 07:03 修正:2016-02-03 08:45
海外広報放送「アリランTV」のホームページ//ハンギョレ新聞社

 海外広報放送「アリランTV」のパン・ソクホ社長が書類まで偽造して会社の金を家族の海外旅行の経費などに使ったという疑惑が指摘されている。「ニュース打破」と「共に民主党」のチェ・ミンヒ議員らが確認した内容によると、その手法も限りなく厚かましい。

 昨年9月、パン社長の米国出張は朴槿恵(パククネ)大統領の国連総会演説生中継を指揮するという名目だった。アリランTVの海外支出決済書にも、9月24日はニューヨークの韓国文化院職員、大統領演説前日の27日は国連本部韓国職員、演説当日の28日夕はオ・ジュン国連大使らに会って食事をともにしたと記されている。すべて高級料理店で飲食費も113万ウォン(約11万円)、63万ウォン(約6万3千円)、31万ウォン(約3万1千円)と小額ではない。しかしパン社長が領収書と共に名前を書いた人物は皆、そんなことはなかったと明らかにしたという。大統領の国連訪問で目が回るほど忙しい時、のんきに高級料理店でゆっくりしていられるはずはなかったというのだ。その時、その金で何をしていたかはパン社長の娘の「インスタグレム」(写真共有アプリ)で確認された。インスタグレムには27日と28日にパン社長や娘がニューヨークのあちこちで観光している写真がアップされている。もともとの出張目的など影も形もない。ここまで行くとモラルハザードを越え犯罪的行為に近い。

 パン社長は昨年5月に一人で米国出張に行った際も最高級のホテルの4人部屋に泊まり、数十万ウォンずつの飲食費を決済した。宿舎から車で8時間の距離にある高級料理店では116万ウォン(約11万円)消費したが、この料理店はパン社長の息子が通っていた大学の近くであり、食事をした日は息子の卒業式の2日前だった。パン社長は昨年2カ月に1度外国出張をして、1千万~2千万ウォン(約100~200万円)ずつ経費で落とした。3、4人で使った経費だとしても豪華な旅行だ。もはや常習的に会社の金を私的に流用したのではないか確認すべきである。

 アリランTVは主な収入源である基金が急激に枯渇し、来年からは会社の存廃まで心配しなければならない境遇にある。そんな難しい時にパン社長は公的な業務にだけ厳格に使うべき会社の金を個人用途にむやみに使った。KBS(韓国放送)の与党推薦理事を経て情報通信政策研究院長とアリランTV社長に相次いで「天下り」で任命され、政権の好みにあうものならいかなる事をしてもかまわないと考えたためだ。このような好き勝手しほうだいの天下りはパン社長だけのことだろうか。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2016/02/01 20:14

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/728844.html 訳T.W

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