慰安婦問題を妥結させ日本政府が支援することにした予算は10億円、韓国通貨では約100億ウォンです。 日本が毎年負担してきたユネスコ予算の約10%にあたる37億円や、当初800億円を予定していたが2520億円に膨らんで問題になっている東京オリンピックの主競技場整備予算と比較しても、本当にみすぼらしい金額です。 日本は格安で230余りの登録被害者に対する賠償と韓国政府の沈黙を手に入れたわけです。
韓国で100億ウォンで何ができるのでしょう? 来年の予算案を見てみます。 100億ウォンが国家報勲処の幼稚園安保教育予算に配分されました。 大田市西区の公営駐車場建設事業の総事業費、来年度の月探査事業、京畿道富川市の歩道整備に、来年の営農期まで水不足が予想される貯水池103カ所の整備にそれぞれ100億ウォンが割り当てられています。
一層あきれるのは100億ウォンで売り払ったのはそれだけではないということです。 歴史問題に関する韓日外交紛争の妥結は、米国政府の長年の念願でした。 中国の経済成長とそれに伴う政治的・軍事的膨張は、太平洋地域のリーダーとして残りたい米国にとって大きな挑戦にならざるをえません。 東アジア地域同盟国の支援を切実に必要でしょう。 2013年米日軍事同盟強化、在韓米軍の再配備と済州の海軍基地建設はこのような国際情勢の変化を反映したものです。 韓米、米日共助はうまくいくが、韓米日三角共助を夢見る米国としては、苦々しいのが韓日関係です。 歴史問題で揺れ続けているからです。
このような情勢判断の下に、米日が共にする姿を見せたのが昨年4月の首脳会談でした。 記者会見でバラク・オバマ米国大統領は、中国、日本、東南アジア国家の紛争を指摘して、中国は対話ではなく武力に依拠していると指摘しました。 すると続いて安倍晋三首相は韓国と慰安婦問題の解決について努力していると明らかにしました。 10月にあった韓米首脳会談でオバマ大統領は中国が国際法に違反すれば、韓国政府も米国政府と共にそれを非難しなければならないと言いました。 脅迫です。 続けて彼は、韓日間の歴史問題妥結が必要だと釘を刺しました。 そして2カ月後、数十年たってもできなかった妥結になったわけです。 するとホワイトハウスのスーザン・ライス国家安保補佐官が公式声明を通じて「国際社会から歓迎されるだろう」として褒め称えました。
地理的にも歴史的にも中国は韓国と切り離せない国です。 経済的には既に最大の貿易相手国で、北朝鮮との問題でも中国の協力は絶対的でしょう。 しかし、露骨に中国と角を立てる関係に入り込もうとしています。 おかげで韓国は今後繰り広げられるだろう米国と中国の対決で、国の安保を心配しなければならない境遇になるわけです。 朴槿恵(パククネ)政権が僅か金100億ウォンで売り払ったのは、慰安婦生存者の名誉と韓国人の自尊心だけではありません。 国の安保まで安売り渡したのです。元々慰安婦の問題は国がなくなったために起きたことなのに、その処理を巡ってもう一度火遊びをする政権が恨めしい限りです。