登録 : 2015.09.02 11:30 修正 : 2015.09.02 11:53

小説家の申京淑氏 //ハンギョレ新聞社
 季刊誌『文学トンネ』を発行する文学トンネ社のカン・テヒョン代表と創刊当時から仕事をしてきたウォン・ニョン編集委員が一括退陣することを決めた。申京淑(シン・ギョンスク)盗作事件後、チャンビ社、文学と知性社とともに“文学の権力”の一つの軸として厳しい視線を受けてきた三大出版社の中で初めて、事態に対する責任感を持ち人事改編を断行したものと言える。共倒れの危機とまでうんぬんされた韓国文学界が、今回の機会に一大刷新するきっかけになるよう願いたい。

 現在の韓国文学界の最も大きな問題点の一つが、批評らしい批評の喪失と三大文芸紙の権力化と言っても過言ではないだろう。明らかに駄作なのに傑作のようにカモフラージュするなら、それは批評の名で読者を騙すものだ。苦言は省いて称えるだけのいわゆる“祝言評論”も批評と呼ぶわけにはいかない。申京淑事件の際に読者は、駄作を傑作であると誤解してしまったと背信感を吐露した。

 三大文芸誌がこのような形で自社の媒体に載せる作品を確保すべく汲々としていたことが、結局は文学を軽んじたと読者に見られてもいいだろう。

 文芸誌同士の八百長による弊害も深刻だった。作家は三大文芸誌に交替に作品を発表し、文芸誌は同じ作家たちを巡って互いに取りざたすることをした。その過程で三つの出版社の企業は表面上大きくなったが、文芸誌としての特色と個性は消えてしまった。その結果、韓国文学自体が多様性を失って活力も喪失したと指摘される。

 文学トンネ社の決定は創刊当時の世代が既得権を手放したという点で意味が大きい。三大文芸であり中心の権力化と、論壇の寡占構造を崩す契機になると期待される。文学トンネ社は単に編集陣だけ変えるのではなく、文学の多様性と論壇の開放度を回復するための実質的な方策を真剣に検討することを頼みたい。

 文学の刷新は当然文学トンネ社だけの課題ではないだろう。そのような脈絡から見たとき、申京淑盗作事件に関連してこのほどチャンビ社側が見せた態度は遺憾だ。作家の主観的意識の領域に該当する問題をめぐって、意図的な書き写しかそれではないかを主張しようというのは、問題の根幹ではない。問題は韓国文学界を全般的に刷新すべきという要求をチャンビ社側が相変らず中途半端に受け入れているという印象を強くしているという点にある。韓国文学の“生態系”の構造を改革してこそ文学の健全性は回復する。

 文学はもちろんで進歩的社会論壇の発信源を自認してきたチャンビ社のような有力出版社は、刷新の課題に一層積極的に加わるよう願いたい。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/09/01 18:33

http://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/706898.html訳T.W

関連記事
  • 오피니언

multimedia

  • most viewed articles
    • hotissue