登録 : 2015.07.12 23:20 修正 : 2015.07.13 07:11

 第二次世界大戦後、韓国経済は約20年周期で三度の大きな危機を体験した。1960年代後半には米国の援助縮小が背景だった。 1970年代後半から1980年代初期まで続いた危機は、朴正煕(パク・チョンヒ)政権時期の攻撃的重化学工業投資と第2次オイルショックが重なった。 1997年末には、大企業の重複・過剰投資と大規模経常赤字による“外国為替危機”を体験した。 そして今、もう一度危機の兆しが明確になっている。

 韓国の経済政策を導いていく核心理念は、相変らず“輸出成長”だ。 表現をどう包装しようが、先週政府が出した輸出対策にもそのような考え方が濃厚に込められている。 輸出成長を支えてきた「三つの矢」がある。 市場開放、低い法人税率、安い韓国ウォン価値だ。 これらは全て輸出大企業に補助金を与える政策だった。 もはやそれらを使う余力は希薄だが、かといって他のカードもないというのが危機の根源だ。

 韓国政府は中国と自由貿易協定に仮署名する際に「経済領土」という表現を使った。 中国との協定で韓国の経済領土が世界3位の73.2%に大きくなったというのだ。 それを聞いて滑稽で悲しかった。 チリとペルーに追いつこうというのか? 開放拡大で世界交易量が増える間、輸出主導政策が韓国経済の成長動力になったという点は否認し難い。 だが、相互関税撤廃は世界的な競争力を備えた企業には良いが、そうでない経済主導者には苦痛を要求する両面性がある。 単に長所だけ見るといっても、競争国が大切にしているカードを韓国はもうほとんど使ってしまった。

 歴代政府は大企業のために法人税を緩和する政策を続けてきた。経済協力開発機構(OECD)加盟国の中で韓国より法人税実効税率が低い国は片手で数えられる。 特に2009年からは一層急激に下がっている。 各種減免制度のおかげで巨大企業の実効税率は中堅企業より低い。 その影響で国の負債が急速に増えている。 もうこれ以上低くして企業の価格競争力を助けることはできない。 所得税実効税率もあまりにも低いので、法人税だけを上げろという訳には行かないが、法人税も上げるべきだ。

 韓国は対外信用度が低く、経済力に比べて韓国ウォンの価値は弱かった。 輸出競争国である日本の円が、長期に亘り強勢なので、その恩恵もたくさん得た。 韓国ウォンの価値が少し上がっただけで企業はわめいた。 盧武鉉(ノ・ムヒョン)政権の時は、外国為替市場に介入して韓国ウォン価値を下落させ大きな損失を被り、その副作用で韓国ウォン価値が急騰したこともある。 だが、もうこれ以上は消費者に物価上昇を背負わせて企業に補助金を与えるウォン安誘導は不可能だ。 物価上昇を恐れる必要のない日本は、無茶苦茶に金融を緩和して日本円を劣勢に転換させたが、韓国は経常収支の黒字が年間1000億ドルにもなっているのに、どういう方法で韓国ウォンを劣勢に転換するのだろうか。

 米国をはじめとして世界の多くの国が財政危機の陰の下にある。これを払拭して世界資本主義がかつての復興時のように戻ることは短期的には期待し難い。 そうした中で日本の製造業には追いつけず、中国に世界市場を渡しているのが韓国の現実だ。 中国の内需消費市場からすら劣勢に立たされるほど韓国の輸出主力産業が揺れている。

チョン・ナムグ経済部長 //ハンギョレ新聞社

 落水効果のない輸出を支えるために企業に補助金を与えることは非効率的だ。韓国企業が世界の輸出市場で一層付加価値の高い商品を売れるよう、長い目で見て変化を追求していくしかない。 危機を乗り越えるには内需を均衡して成長させることが何より重要だ。今のように建設景気を浮揚して、借金消費を煽るのは危機を拡大するだけだ。 雇用保険と年金制度をさらに拡充し、将来に対する国民の不安を減らし、租税政策を通じて所得と富を再分配し消費余力を拡大することが急がれている。

チョン・ナムグ経済部長 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-07-12 18:37
http://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/699859.html 訳J.S(1759字)

関連記事
  • 오피니언

multimedia

  • most viewed articles
    • hotissue