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[社説]アジアインフラ投資銀行と韓国の課題

登録:2015-06-30 10:16 修正:2015-06-30 11:45
AIIBの主要加盟国の持分率と投票権 //ハンギョレ新聞社

 アジアインフラ投資銀行(AIIB)協定文署名式が29日、中国北京で開かれた。これに伴いアジア地域のインフラ建設資金を支援する大型国際開発銀行が早ければ年内にスタートすると予想される。米国が主導する国際通貨基金(IMF)や世界銀行(WB)、日本中心のアジア開発銀行(ADB)に対抗して、中国がイニシアチブを握る銀行が門を開くことになったのだ。国際金融秩序はもちろん政治秩序にも少なからない変化が予想される。中国としては世界第2位の経済大国にふさわしい地位を築いて行く契機にしたいようだ。

 我が国(韓国)をはじめとするアジア圏の経済にも肯定的な効果が期待される。中国が当初の約束のとおりこの銀行を真にアジア発展のための道具しえるようにしなければならない。

AIIBの概要と主要推進経過 //ハンギョレ新聞社

 我が国は参加の意思表示が遅かったわりにはそれなりの良い立場を確保した。中国、インド、ロシア、ドイツに続き5位の出資率と議決権を得た。しかし現在の出資率では理事席を確信することはむりだ。そのため他の会員国との関係を生かして理事席を担えるようにすると同時に副総裁席も確保できるよう努るべきだろう。それでこそ銀行内で政策決定や資金配分を行う際に発言権が高まることになる。合わせて我々の建設や土木、情報通信、電力分野の企業などはこの機会を活用できるよううまく準備しなければならない。

 アジアインフラ銀行が北朝鮮を助けることができる手段を探るのも良いはずだ。北朝鮮は世界銀行やアジア開発銀行会員国ではないのでこの銀行に加入できず、北朝鮮のインフラ開発事業は投資対象ではない。しかし4分の3の議決を受ければ非会員国にも支援することができるようになっており、その余地がないわけではない。

 中国は意思決定に大きく影響を与える「拒否権」を確保した。一部ではこれについて中国の独走を心配する主要な根拠として受け入れている。中国がこのような心配を払拭すべきであることは言うまでもない。米国は国際通貨基金の運営に関連して演じた誤りを犯してはならない。支配構造の透明性を高めるさらなる努力も行うべきである。

2015/06/29 18:37

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/697977.html 訳T.W

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