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[社説] 「国民幸福時代」に世界最下位級の生活の質

登録:2015-06-27 07:39 修正:2015-06-27 08:07
世論調査機関ギャラップと保健コンサルティング業者「ヘルスウェイズ」が145カ国の15歳以上の男女14万6000人にアンケート調査した結果を示す地図。米国と欧州大陸がウェルビーングが高く韓国は117位の最下位圏を記録した //ハンギョレ新聞社

 韓国は世界7~8位の貿易規模を誇る。国内総生産の規模も世界13~14位だ。だが、国民の人生の満足度は、経済の外形とは異なり世界最下位級であるのが分かった。

 韓国人が感じる生活の質の満足度は117位になると調査された。世論調査機関ギャラップと保健コンサルティング業者「ヘルスウェイズ」が昨年145カ国の15歳以上の男女14万6000人を相手に「ウェルビーイング指数」をアンケート調査して発表した結果だ。戦争を体験しているイラクより低い、恥ずかしいばかりの水準だ。2013年に75位を記録したこの指数は、昨年何と42段階も落ち込んだ。

 調査項目は人生目標、社会関係、経済状況、共同体の安全と自負心、健康の5項目。経済状況では「この1週間お金の心配をしたか?」、健康では「この1週間活力と躍動感を感じたか?」と尋ねた。韓国人は人生目標で96位、社会関係で112位、経済状況で53位、共同体安全および自負心で113位、健康で138位を記録した。韓国人はお金はそれなりに儲けるかも知れないけれど、過労、圧迫感のため苦しんでいることが明らかになった。

 共同体の安全と自負心での低い数値も憂慮される。特に昨年は、セウォル号事件の余波で不安感がより一層高まったようだ。思いがけない大型災難が発生したうえ、正しい再発防止対策も出てこなかったのだから仕方ない。

 一般的に貧困にある時は、個人が感じる幸福水準は所得と強い相関関係が見られるが、所得が一定水準以上になると、所得と幸福は大きな相関関係を示さなくなるという。米国は第二次世界大戦後に一人当りの国民所得が持続的に増加した期間に、国民幸福指数が逆に減ったことがある。専門家は一人当りの国民所得が1万~1万5千ドルに到達すると、国家政策の基調を経済成長中心から生活の質に移さなければならないと主張する。政府は2013年に国民幸福、経済復興、文化隆盛、平和統一基盤構築を国政基調に設定したが、政策変更はほとんど目につかない。今からでも変えなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015-06-26 18:34

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/697707.html 訳Y.B

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