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[社説] 何としてでも「セウォル号」を消そうとする警察の家宅捜索

登録:2015-06-22 23:39 修正:2015-06-23 07:52
「4月16日の約束国民連帯」のキャンペーンポスター//ハンギョレ新聞社

 警察が19日、セウォル号事故の遺族と市民社会団体で構成された「4月16日の約束国民連帯」(「4.16連帯」)の事務室とパク・レグン、キム・ヘジン運営委員の車や事務室などに対し家宅捜索を行なった。容疑の内容に較べて過度な捜索であり、その意図を疑わざるを得ない。公安通といわれるファン・ギョアン新任首相任命の翌日の事であるから、時期も偶然とは見難い。

 今回の家宅捜索が警察の主張通り、セウォル号関連集会の不法性と過激性の証拠を捜し出すためのものなのかからして疑問だ。 4月、5月に開かれたセウォル号関連集会に対し、敢えて集会及び示威に関する法律違反、一般交通妨害、特殊公務執行妨害などの容疑を適用しようとするならば、当時現場で警察が撮った写真や動画、発言資料で十分なはずだ。警察はセウォル号事故の初期から遺族と市民社会団体の一挙手一投足をつぶさに監視して来た。事務室や車両、携帯電話などを押収捜索したからと言って集会の不法・過激性を示す証拠をさらに見つけることはできないだろう。

 たとえセウォル号集会で参加者たちの抗議と抵抗が度を過ぎていたとしても、これは警察の先行的暴力と不法に対する自然な反応と見るべきだ。警察は集会当時、警察車両で車壁を造って人々の通行を全面的に遮断し、人体に有害なカプサイシン入りの放水銃を乱射した。違憲的な集会妨害行為だ。 警察の先立つ過ちはそのままにして、一部の集会参加者の過剰行動だけを問題にするのも理に合わないが、警察の暴力に対する参加者たちの瞬間的反応を事前に、組織的に準備したと強弁するのは一層無理がある。

 にもかかわらず公安当局が家宅捜索を強行したのは、「4・16連帯」が主軸の真相糾明活動を萎縮させ、「過激デモには背後勢力がいる」というふうに状況を仕立てようとする公安的発想が敷かれているのではないかと疑われる。実際、警察は家宅捜索で「4・16連帯」の組織図や会計資料、通帳の写しなどを探した。先月のセウォル号集会の一般参加者達に対して家宅捜索令状の発給を受けた時も「背後組織」に言及した。今にもセウォル号に陰謀、指示、資金支援、背後といった公安の古いフレームを突き付けそうな勢いだ。

 これではだめだ。遺族と市民団体の真相糾明要求を封じ込め、セウォル号真相糾明を逆に妨害する特別法施行令に固執し、遺族と市民団体に陰謀と背後勢力の影をかぶせて国民から孤立させようとしたところで、政府の過ちが永久に忘れられ隠し通せるものではない。 政府は今すぐに公安弾圧を止めなければならない。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/696834.html 韓国語原文入力:2015-06-21 18:44
訳A.K(1192字)

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