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[社説] 米軍犯罪をいつまで“謝罪”で済ますのか

登録:2013-03-05 20:41 修正:2013-03-05 22:52

 駐韓米軍が数日前にソウルの中心部で暴れまわり、追跡した警察官と市民を車で当て逃げする事件が発生した。米軍が市民に空気銃を撃っているという申告があり、警察が発砲までした深夜の追撃戦が繰り広げられたのに、当事者が米軍基地内に逃げ込んだために警察は初動捜査もきちんとすることができなかった。 米軍側の協力にだけ頼る状況が繰り返されているのは、とんでもない状態だ。米軍の犯罪が年間200~400件ずつ発生しているのに、厳しい処罰は下されていないせいで、問題の根も解決せずにいる。

 近頃では、先月2日に駐韓米軍人6人が地下鉄車内で音楽を大きくかけて騒ぎ、静かにしてほしいと言った20代の女性をカメラで撮ってからだを撫でるなどのセクハラ事件が起きた。昨年7月には京畿道(キョンギド)平沢(ピョンテク)で米軍憲兵が駐車問題で威嚇して民間人3人に手錠をかけ連行し、物議をかもしたこともあった。法務部の統計を見ると、駐韓米軍人犯罪の中で最も多いのは交通関連犯罪で2011年に165件あり、昨年は上半期だけで166件に急増した。 米軍犯罪が減らないのは、もちろん我が国の捜査権がきちんと保障されていないことが大きい。警察が米軍を現行犯で捕まえれば直接初動捜査ができるが、そうでない場合は米軍側の協力を待つしかない。今回の事件でも被疑者が部隊内に逃げ込んだために、初動捜査はもちろん飲酒測定も出来なかった。韓-米駐屯軍地位協定(SOFA)が2001年4月に改正されたが、殺人や強姦など12の重要犯罪に対してのみで、被疑者の身柄引渡し時期を‘裁判終結後’から‘起訴時点’に繰り上げただけで、依然として我が国の捜査権はまともに保障されていない。

 今回の事件でも、米8軍の副司令官が龍山(ヨンサン)警察署を訪れ謝罪して捜査に協力すると話したが、直接車を運転していた一等兵は鎮痛剤を使って治療中だとして出頭していない。米軍の犯罪が絶えないにもかかわらず依然として適当な謝罪と軽い処罰ですまされる事が続いているのが問題だ。銃器まで使ったというから今回こそ厳正な捜査と厳しい処罰で、きちんとした事例として示すべきだ。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/576479.html 韓国語原文入力:2013/03/04 19:16
訳T.W(1020字)

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