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[社説]うそと詭弁による韓国国立大の学長御用化

登録:2015-02-12 12:09 修正:2015-02-15 08:46

 韓国の国立大学がそれぞれ選んだ学長候補者を、教育部が理由も示さずに相次いで拒否したことは、結局は大統領府の気に入る人物をすえようという意図であったことが明るみになってきている。教育部が四回連続して学長候補の任用の推薦を拒否した韓国体育大学(韓体大)の学長に“親朴(現大統領派)”系のセヌリ党のキム・ソンジョ元議員が任用されたのが端的な証拠である。

 韓体大の学長任用の経緯はそれこそ正常ではなかった。前学長の任期は2013年3月に満了したが、教育部は同年4月と11月、その翌年の5月と10月に学校側が推薦した候補たちの任用の推薦を拒否した。「非適格者」という一言で学長候補らを23か月間に四回も拒否した教育部は、先月五回目としてキム元議員が推薦されると一か月で任用を推薦し、朴槿恵(パク・クネ)大統領はその二日後に彼を任用した。だからといってキム前議員が適格者であるわけでもない。彼は朴正熙(パク・チョンヒ)元大統領の故郷である亀尾(クミ)で国会議員に三回当選した代表的な親朴系政治家である。その反面で体育関連の経歴は乏しく韓体大の学長にふさわしい専門性は見あたらない。彼自身が掲げている経歴というのはせいぜい亀尾市弓道協会の初代会長と慶尚北道体育会理事である。

 誰が見ても学長の適任者を探していたのではなく、大統領府の気に入る人物が推薦されるまで学長候補らを頑なに拒否していたことが分かる。こういう“天下り人事”のために大勢の教授が手助け役を務めねばならず、学長の2年近い空席によって学生たちも被害を受けたのだ。大統領府と教育部が教育を犠牲にしながら親朴系政治家の再就職を世話した形になった。同じく学長空席の事態を経ている公州大(12か月目)、放送大(5か月目)、慶北大(6か月目)などでもこのような状況が再演される可能性が高い。

 教育部の虚偽も裁かれようとしている。教育部は「慣行」を言い訳にして学長候補の拒否の理由を明らかにしていないが、正義党のチョン・チンフ議員が11日に公開した教育部の資料によると、政府は過去に学長候補を拒否した際には正確な理由を明らかにしていたことが確認される。教育部は拒否理由を開示を求めた裁判所の判決も無視している。仮にも教育を管轄する部署なのに、政治的目的のためにあらゆるうそと詭弁を日常的に使っているのだから、国民の税金がもったいないほどだ。

 憲法と法律が保障する大学の自律性を損ないながらも政権寄りの人物に席を設けて大学社会を手なづけようとする大統領府と教育部の“国立大学長御用化”の試みは直ちに中止されてしかるべきだ。

(お問い合わせ japan@hani.co.kr )

韓国語原文入力:2015/02/11 18:44 

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/677942.html 訳T.W(1173字)

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