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[社説]もう根絶しなければならない半導体職業病

登録:2014-08-12 00:37 修正:2014-08-12 13:36
去る1日午後、京畿道(キョンギド)利川市(イチョンシ)夫鉢邑(プバルウプ)のSKハイニックス本社正門前で社員が通勤バスに乗るところ。 利川/リュ・ウジョン記者 wjryu@hani.co.kr

 SKハイニックス半導体工場で白血病などの職業性疾患が発生したという疑惑が提起され、会社は精密実態調査に乗り出すことを決めた。これに関連した<ハンギョレ>の調査報道記事が2週間前にあり、会社側が前向きな態度を見せたわけだ。自分の会社の労働者の生命を脅かす問題を、今からでもきちんと調査するというのだから遅いとは言え、ぜひ徹底した被害補償と再発防止対策をとることを期待したい。

 ハイニックス半導体工場の職業病問題は、いわゆる‘サムスンの白血病論議’の陰に隠れて、これまで社会的関心を呼んでいなかった。2012年にハイニックスがSKグループに引き継がれるまで経営難に置かれていたことも影響したと見られる。ところが取材の結果、1995年から2010年までハイニックス半導体工場に出入りしたり、働いていた労働者のうち少なくとも13人が白血病などのリンパ造血器系疾患のために亡くなったことが確認された。同じ期間にサムスン電子の半導体工場で確認された死亡者よりも多い。発病率と死亡率もサムスン電子に劣らず深刻であることが分かった。その間ハイニックスが不十分な安全管理を隠していたのではないかという疑惑まで出てきている。

 ハイニックスはこのような疑惑にともなう世論の批判に素早い対応を見せた。しかしサムスン電子と同様に職業病の発生と作業環境の間の因果関係は認めていないという。これは労災保険の運用機関である勤労福祉公団の判定や裁判所の判決には従うという態度だ。これでは問題解決に対する誠実さは認められない。これまで半導体工場の疾病に対する公的機関の労災認定基準は、医学的な妥当性が足りないという指摘が多かった。何よりも作業環境と疾病の関連性を被害者が立証しなければならないということが、現行の労災保険制度の致命的短所であると指摘されてきた。半導体工場のように随時作業環境が変わり、使用物質などに対する情報提供が制限されている条件下で、被害者とその家族が最終的に立証責任を負うということは事実上不可能だ。これ以上形骸化した争いを続けるよりは、半導体労働者の職業病が絶えないという悲劇を食い止めることに力を注ぐべきだ。

 韓国は昨年時点で一日平均5人の労災死亡事故が起き、労災死亡率世界1位という汚名を被っている。仮にも先進国の入り口まで来た国の恥ずかしい実像だ。世界のメモリー半導体市場で1、2位の占有率を誇るサムスン電子とハイニックスは、汚名をそそぐためにも問題解決に積極的に乗り出すことを願いたい。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/650687.html 韓国語原文入力:2014/08/11 18:39
訳T.W(1162字)

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