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[特派員コラム] 韓日関係の根本的転換

登録:2014-08-07 20:31 修正:2014-08-08 09:37
キル・ユンヒョン東京特派員

「韓国では1965年の韓日協定の改正が(現在の悪化した韓日関係を打開するための)当然の帰結でしょうね。」

「そういうことでしょう。」

二か月ほど前、東京新橋のある小さな居酒屋で、普段から懇意にしている日本人記者二人と席を囲んだ。 話題は日常の身辺雑記から始まり、自然と梗塞局面が続く韓日関係全般に広がった。 最近の韓日関係悪化の根本原因はなんなのか。 慰安婦問題と李明博大統領の独島(日本名 竹島)訪問など、様々な原因に関する1時間ほどの対話は、結局、来年で締結50周年をむかえる韓日協定という巨大な暗礁に行き着いた。

 韓国人にとり1965年の韓日協定とはなんだったのか。 この協定は交渉が行われた1960年代初めから今日に至るまで、韓国人の民族的自負心に少なからぬ傷を残した不道徳で正しくない協定として今に至っている。 14年と6か月という長い交渉の末にかろうじて合意された協定は、韓日両国間の様々な根本問題が疎かにされている。韓日協定には、日本が韓国を植民地支配した事実に対する謝罪がないばかりか、植民地支配の不法性についても「(併合条約が)すでに無効であることを確認する」という不明確な表現で終わっている。 また、協定は独島が韓国と日本のどちらに帰属するかを棚上げし、韓国が日本から有・無償合わせて5億ドルの請求権資金を一括受領したという理由で「個人請求権」の消滅を主張している。 結局、この協定は冷戦秩序下の朴正熙軍事政権が韓国と日本の関係改善を強く望んだアメリカの要求を受け入れ、より対等な関係設定を願う韓国内の声を押さえ込む形で断行された決定だったと評価できる。

 そのため韓国の市民社会にとり協定は一貫して打倒の対象だった。 現象的に見た核心的な葛藤の原因は、韓日協定で両国間の請求権問題が「完全かつ最終的に解決された」としたことから始まった、いわゆる個人請求権の問題であった。このような協定の結論に納得できない韓国の市民社会は、「協定当時にどんな議論が行われたかを知らなければならない」として、韓国政府を相手に韓日協定文書の公開を要求した。その結果、韓国政府は2005年1月に4万ページに及ぶ膨大な文書を公開したのに続き、同年8月には「慰安婦問題などは韓日協定で決着していない」として、既存の見解に対する修正に乗り出さざるをえなかった。 以後、韓国では2011年8月に「政府が慰安婦問題解決のために積極的に努力しないことは違憲」という憲法裁判所の決定と、「1965年韓日協定で個人請求権が消滅したわけではない」という2012年5月の最高裁判決が続いた。 韓国内ではすでに韓日協定の存在基盤が崩れたわけだ。 これに対し多くの日本人は依然として、韓日協定を通じて日本が提供した経済協力資金が韓国経済成長の原動力になったと信じていて、国内の政治的状況を理由に国家間の合意を一方的に覆そうとする韓国社会の試みを理解できないとしている。

 結局、現在進行中の韓日の葛藤は、一度や二度の首脳会談を通して解決できる現象的問題ではないということがわかる。 韓日協定を‘屈辱’として考え改正を希望する韓国社会と、‘日本の善意’だったと感じている日本人の間には、容易に克服できない深い溝が存在する。 韓日協定以後の半世紀、成長した国力を基に両国関係の根本的な再調整を要求する韓国と、既存秩序の維持を希望する日本の間の激しい綱引きが始まったわけだ。 1876年の江華島(カンファド)条約以後、一度も存在しなかった‘対等な韓国’という見慣れない概念と日本はどのように向き合うだろうか。そして私たち韓国人は、彼らをどのように説得していくべきなのか。

キル・ユンヒョン東京特派員 charisma@hani.co.kr

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/column/650240.html 韓国語原文入力:2014/08/07 18:15
訳J.S(1693字)

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