韓国鉄道公社(KORAIL)経営陣と労組が再び激突直前まで全力疾走している。 今回の葛藤の火種は大規模転換配置である。 10日、KORAILは労組員を中心として現場職員726人に対する転換配置を予告する中で、鉄道労組はこれを阻止するため再びストライキで対抗すると明らかにした。 労組員2人がすでに9日からソウル水色(スセク)駅の鉄塔に登り抗議の座り込みを始めたし、労組幹部80人余りもソウル駅でハンスト座り込みに入った。KORAIL経営陣と労組間の不信と葛藤の溝が再び深まる格好だ。昨年末、史上最長の鉄道ストの時のように、国民の不便や事故の危険が増大するようで心配だ。
KORAIL側は今回の異動人事に先立って、自社の就業規則である“循環配置および定期人事交流施行案”を新たに作り、労組とも数回の懇談会を経た末に人事対象者を選定したと説明している。また、地域・職種間の人材不均衡解消と経営の効率化のための経営陣の正当な人事権行使であることを主張して、労組の反発を一蹴してきた。しかし、労組の主張を聞いてみれば、今回の人事は昨年末の労組ストに対する報復の性格が濃い。 “労組飼い馴らし”ではないかという疑念を買うしかない。
KORAILは固有業務の特性のために、機関士など現場職員を地域と職務単位で別途採用して運用してきた。職員に職場と生活の場の一致を保障してきたわけだ。 賃金及び団体交渉案にも「縁故のない土地への転出禁止」条項を置いている。ところが突然に転換配置規則を作り、本人の希望とは関係なく根拠地を移させる人事を強行している。 3日には、KORAIL釜山(プサン)慶南(キョンナム)本部所属のある組合員が、転出対象者の通知を受けた後、その不当性と不安を訴え、極端な選択をする事態まで起った。
公社の大量異動処置は現行労働関係法に反するという指摘もある。それまで定期的移動がなかった職務や地域間において人事交流を可能にするように急に就業規則を変えることは、労働者の権利を顕著に侵害する素地が大きいためだ。就業規則の改正と施行は、事前に労組と十分協議し本人の同意を得なければ、法的効力はない。
KORAIL経営陣は昨年の鉄道労組ストライキと関連して、今までに解雇130人を含め404人に対し重懲戒処分を下した。 また、労組に162億ウォンの損害賠償を請求し、116億ウォンにのぼる仮差し押さえをかけた。 鉄道労組は今回の配置転換も労組無力化への試みの一環と見ている。 与野党の仲裁によりストが妥結され、国会が鉄道産業の発展案を議論している時に、KORAIL経営陣が逆行する行動を取ることは非難を受けて当然だ。