大統領職引継ぎ委員会が発表した朴槿恵政府の5大国政目標から経済民主化が除外された。大統領選挙で朴当選人の核心公約だった経済民主化が選挙が終わるやいなや邪魔者扱いされ葬られてしまった。
業務引継ぎ委員会の昨日の発表を見ると、5大目標には働き口中心の創造経済、オーダーメード型雇用・福祉、創意教育と文化がある暮し、安全と統合の社会、幸せな統一時代の基盤構築などが含まれている。経済民主化は用語自体が消えた。単に‘働き口中心の創造経済’国政目標の下位の6個の戦略の中の一つである‘原則が正しく守られる市場経済秩序確立’という項目に関連内容がつづられているだけだ。
業務引継ぎ委員会の関係者は経済民主化が国政目標から除外されたことをめぐって "これまでに発表した公約は全て経済パートの中に入っている" と釈明した。国政目標から除外されただけで、関連公約は皆盛り込まれており、公約の実践方針や履行計画もそのままという理屈だ。しないのではなく、できないのだといった甘言によるまやかしで国民を惑わす詭弁に当たる。
朴次期大統領が大統領選挙で経済民主化を主要公約に掲げたことは子供でも知っている。昨年7月の大統領選出馬表明時は経済民主化を国民幸福のための3大課題に選んだ。12月の大統領選公約集にも経済民主化は国民幸福10大公約に盛り込まれた。大統領選の時に掲げた公約の重要度が国政の優先順位に反映されることが常識であり当り前の道理だ。今になって経済民主化を5大目標から除外するのは国民に対する約束違反だ。
財閥改革と福祉拡大に代表される経済民主化は利害関係者が多く組織的に反対する勢力が厳存するだけに、国政の最高責任者の意思で推進してかまわないのかという険しい課題だ。国政での優先順位が下がるということは結局、推進力の喪失につながるほかはない。このような事情をはっきり知っている朴氏が経済民主化を下位目標に置いたことは推進意思がないということを天下に示したも同然だ。
大統領選で国民が朴氏により多く投票したのは、経済民主化を安定的に推進してほしいという気持ちもあった。朴氏は野党が掲げた経済民主化を用いて自身の公約とした。経済民主化が重要な時代の要求だったためだ。ところが大統領選の公約を舌の根の乾かぬうちに事実上木阿弥に戻すのは投票した国民を愚弄する対応だ。朴氏が本当に‘約束の政治家’と呼べるのか疑わしいほどだ。民意を簡単に裏切る政治家はいつか厳正な審判を受けるものだ。朴氏の自省を促したい。