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[社説] 財閥の利益ために ついに営利病院の道を開いたか

登録:2012-11-01 19:36 修正:2012-11-02 00:34

 李明博政府がついに営利病院の道を開いた。 数日前、保健福祉部が経済自由区域内で外国医療機関を開くのに必要な要件を盛り込んだ施行規則を公布したのだ。 この病院は外国資本比率が50%を越えることになっていて、表面的には外国営利病院のように見える。 だが、医療スタッフの90%までを国内免許医師で満たすことができ、内国人患者診療が100%保障され、意志決定機構にも内国人が最大半分まで参加できる。 事実上、国内営利病院と言える。 医療民営化の第一段階が始まった指摘せざるをえない理由だ。

 このために与党が圧倒的多数であった18代国会さえも世論の強力な反対に押されて関連法案を処理できなかった。 それでも李政府は大統領任期終了をわずか100日余り後に控えて国会同意が必要ない施行規則を通じてこっそりと外国営利病院を許容した。 国民と民主主義の秩序を無視する無鉄砲な形態に他ならない。 これだから政府が三星(サムスン)など財閥の利益を保障するために外国営利病院許容にこだわっているという批判が出てくるのも無理はない。 日本の大和証券が仁川経済自由区域に設立推進中の外国営利病院には三星物産が持分参加している。

 外国営利病院の登場が呼び起こす弊害は一つや二つではない。 何より病院協会などの「逆差別撤廃」要求が強まり、国内営利病院の全面許容につながる可能性が濃厚だ。 このようになれば金儲けのための過剰診療で医療費が暴騰し、医療両極化現象が激しくなることが明らかだ。 韓国保健社会研究院の研究(2010年)を見れば、我が国の個人病院の20%が営利病院に切り替わる場合、国民は年間1兆5000億ウォンの医療費をさらに多く負担しなければならないことが明らかになる。 所得上位階層の健康保険忌避により中低所得層の医療サービスの支えである健康保険が弱体化する憂慮さえある。

 外国営利病院許容措置は直ちに撤回されなければならない。 政府が自ら撤回しないならば、国会が関連法案である経済自由区域法を改正し、営利病院許容を禁止することが正しい。 合わせて大統領候補は営利病院に対する明確な立場と共にわが国社会の医療体系をどちらに導いて行くのか、展望を明らかにしなければならない。 その方向は営利病院許容を通した医療商業化ではならない。 健康保険の保障率を高め、国公立病院を拡充するなど医療公共性を強化する側であってこそ当然だ。 経済協力開発機構(OECD)国家の国公立病院比率は平均75%にもなるのに反して、我が国は僅か7%だ。 このような状況で庶民の医療費暴騰をもたらすだけの営利病院など許容してなるだろうか。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/558582.html 韓国語原文入力:2012/11/01 19:04
訳J.S(1214字)

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