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[社説] 月城原発1号機の美しい‘臨終’を準備しよう

登録:2012-10-30 22:57 修正:2012-10-31 00:01

 月城(ウォルソン)原子力発電所1号機が数日前にまた故障で発電が停止した。月城1号機は古里1号機に次いで古い原発で、11月20日に30年の設計寿命が満了する。韓国水力原子力(韓水原)は寿命延長を試みているが、故障が多いだけでなく、主要部分が安全基準にも達していないので再稼動してはならない。

 月城1号機は過去10年間に8回の故障を起こしたが、その半分の4回は今年発生している。1月に原子炉冷却装置のポンプが異常を起こし、先月には変圧器が故障し、今回はタービンが停止するなど内容も一様に深刻だ。特に7月に一ヶ月余、計画予防整備をしたにも関わらずその後に故障が立て続きに起き不安感を増している。

 さらには韓水原が行う寿命延長のための補完措置が安全基準に大きく及ばないという。韓国原子力安全技術院が4回にわたって韓水原に質問した審査内容880件の中で韓水原が当初答えられなかった項目が20件あり、基準に至らない対策を出したものが37件にもなるという。

 特に問題になっているのは非常時の冷却系統換気多重化設備だ。この設備は原子力発電所事故が発生した場合、原子炉内部の熱を除去する主要装置だが、月城1号機には1台しか設置されていない。1991年以後に複数の熱交換器を設置するよう規定されているが、月城1号機は基準適用以前に作られたためだ。冷却器を追加設置するには発電所の根幹を揺るがすほどの設計変更が必要になり現実的に不可能というのが韓水原の立場だ。そのような問題だけでも再稼働を許さない理由として充分だ。

 原子炉内部の水素監視機もやはり重要な争点だ。月城1号機には水素監視機がなく、早くても来年9月以降に設置可能な状況だ。昨年、福島原発の事故後の措置で水素監視機を設置するよう基準を高め、新しく稼動する原発には適用している。月城1号機に対してのみ今後補完するよう例外基準を適用してはならない。

 カナダ型の原発に分類される月城1号機は天然ウラニウムを原料に、水より重い重水を冷却材として使っているという。軽水炉よりはるかに多くの使用済み核燃料を排出して水素発生量も飛び切り高く、安全性はもちろん経済性も大きく劣るという。より多くの安全装置が必須なのに、基本安全装置まで不備な状態で寿命延長をしてはならない。原子力安全委員会は運営許可満了にこだわらず審査を厳格にしていくつもりだとしているが信じられない。大統領選挙時に論議を呼ぶことを避け、後で結局寿命延長をすることになれば原安委の地位は地に堕ちるだろう。

https://www.hani.co.kr/arti/opinion/editorial/558186.html 韓国語原文入力:2012/10/30 19:06
訳T.W(1172字)

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