米国のドナルド・トランプ大統領が自身をイエス・キリストになぞらえて描いた人工知能(AI)生成の画像を投稿した、いわゆる「ドナルド・イエス」騒動が、パロディのブームを引き起こしている。米国のインターネットユーザーたちは、トランプ大統領をキリストになぞらえて嘲笑する画像や動画を相次いで投稿している。「キリストではなく医師だと思った」というトランプ大統領の言い訳を皮肉るパロディも多い。
13日、ある米国のインターネットユーザーは「聖書で私が最も好きなシーンは、イエス・キリストが再臨するとき、反キリストを難なく打ち負かす場面」だとして、AIで合成した動画を投稿した。動画では、空から降りてきたキリストが、怒りに満ちた表情でトランプ大統領の顔を強打する。顔面を殴られたトランプ大統領は血を吐き、地獄の炎の中へと落ちていく。
また、別のインターネットユーザーは、「紳士淑女の皆様。イエス・トランプ、あるいはドナルド・キリスト、どちらでもお好きな方でお呼びください」として、白い服に赤いマントを身につけたトランプ大統領がゴルフ場の池の上を歩く合成動画を投稿した。この動画では、トランプ大統領は水上でゴルフをした後、「私がそうした」(I did that)と言っている。この発言は最近、米国・イスラエルとイランの戦争で石油価格が急騰するなかで、トランプ大統領を批判するミーム(Meme、ネット上で流行しているコンテンツ)として用いられている。トランプ大統領が戦争中にもゴルフを楽しむ点と、「キリストを気取っている」ことを同時に批判したものとみられる。
「(画像のなかの人物を)キリストではなく医師と考えていた」というトランプ大統領の言い訳もパロディの題材になった。あるインターネットユーザーがXに投稿した合成画像では、客室乗務員が「(飛行機で)お医者様はいらっしゃいますか」と呼びかけると、キリストが手をあげるという内容だ。米国の医学ドラマ「ハウス」の主人公を演じた俳優が、医師の白衣のかわりに、キリストのような衣装を着た合成画像も話題だ。医師たちが手術室に入ろうとするトランプ大統領に対して「何を手伝ってくださるのですか」と尋ねると、キリストの服を着たトランプ大統領が「私はここで働いているんだが」と答える合成画像も広く共有された。キリストの服を着たトランプ大統領が水上を歩く写真を投稿し、「トランプは船乗り」だと言ったり、同じくキリストの服を着たトランプ大統領が昇天する画像に対しては「トランプはパイロット」だと皮肉ったりもしている。
これに先立ち、トランプ大統領は12日(現地時間)ソーシャルメディアのトゥルース・ソーシャルに、患者を癒やすキリストの姿で自身を描いたAI生成の画像を投稿し、12時間後に削除した。画像では聖書の人物のような服を着たトランプ大統領が、患者の額に手を当て、別の手からは光が放たれている。その背後で、軍人、看護師、祈る女性らが感嘆の表情でトランプ大統領を見守り、空では星条旗がはためき、鷲と戦闘機が飛んでいる。
トランプ大統領は教皇レオ14世に激しい抗議を浴びせた直後にこの画像を投稿した。これに先立ち11日、教皇が「神はどのような戦争であっても祝福しない」と発言すると、トランプ大統領は「教皇は犯罪に弱腰で、外交政策では無能だ」と主張し、「急進左派に迎合するのはやめるべきだ」と批判した。
トランプ大統領は、自身を支持していた保守的なキリスト教右派陣営からも「神聖冒とく」だと非難され、結局この画像を削除した。自身をキリストと同一視したり僭称したりするのは、キリスト教では神聖冒とくであり、異端行為とされる。