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「停戦妨害者」ネタニヤフ首相、トランプ大統領が禁じたイランの石油施設への攻撃再開

登録:2026-04-08 07:58 修正:2026-04-08 09:20
トランプとの電話で停戦可能性に懸念表明 
イランの経済基盤を攻撃…戦争リスク高める 
イランも湾岸諸国の石油化学施設に報復 
先月19日(現地時間)、イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が記者会見で発言している/ロイター・聯合ニュース

 イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相が米国のドナルド・トランプ大統領に対し、イランとの停戦について懸念を表明した。イスラエルは、トランプ大統領が禁止したイランのガス田「サウスパルス」の関連施設への攻撃を再開し、米国とイランとの停戦交渉を妨害している。

 イスラエルの「チャンネル12」は6日(現地時間)、ネタニヤフ首相が前日にトランプ大統領と電話で会談し、イランとの停戦の可能性について懸念を表明するとともに、停戦が招くリスクを指摘したと、イスラエル政府の関係者の発言を引用して報じた。同関係者は、トランプ大統領がネタニヤフ首相に対し、「イランが米国の要求を受け入れたら停戦が成立する可能性がある」としつつも、「イランが保有する濃縮ウランをすべて引き渡し、今後ウラン濃縮を再開できないようにすべきだ」と述べたと語った。米国は先月、イランに対し、すべての濃縮した核物質を国際原子力機関(IAEA)に引き渡すこと、イラン領土内での核濃縮の禁止を含む15項目の要求を提示している。

 イスラエルはイランの経済基盤である石油化学生産施設に攻撃を加え、戦争のリスクをまたも高めた。イスラエル・カッツ国防相は「イランの石油化学生産の約50%を担うアサルーイェ最大の施設に強い打撃を加えた」と述べた。同国防相は、4日にイスラエルがイランのマフシャール石油化学特区を攻撃したことにも言及しつつ、「イランの石油化学輸出の85%を占める2つの重要施設が稼働不能に陥った」とし、「これはイラン政権にとって数百億ドルにのぼる致命的な経済的打撃になるだろう」と述べた。イラン国営の石油化学企業は「米国およびシオニスト敵対勢力がアサルーイェのパルスエネルギー特別経済区域(PSEEZ)の石油化学産業の一部の付帯施設を攻撃した」として、「被害と損失の規模は調査中」だと発表した。

 イラン最大のガス田「サウスパルス」で生産されたガスを精製・加工するPSEEZは、先月18日にもイスラエルの攻撃を受けている。この時、トランプ大統領は「イスラエルはサウスパルスガス田に対する攻撃をこれ以上行わないだろう」と述べていた。これ以外にもイランは、マルブダシュト石油化学団地が米国とイスラエルに攻撃されたと発表した。

 イランも湾岸諸国の石油化学施設を標的とした報復を開始。イランの準官営ファルス通信は7日午前、サウジアラビアのジュバイル石油化学産業団地で大規模な爆発と攻撃が発生したと、炎が上がる映像とともに報じた。ファルス通信は情報筋の話を引用し、同団地内にあるサダラ社の生産施設は年間約300万トンのプラスチックと化学製品を生産する世界最大規模の統合化学施設で、米国のダウ・ケミカルがかかわっていると説明した。ロイターは、サウジアラビア国防省が7発の弾道ミサイルを迎撃したが、残骸がエネルギー施設の近くに落下したため、被害の評価が進められていると報じた。先月、PSEEZが攻撃を受けた際には、イランは世界の液化天然ガス供給量の20%を担うカタールのラスラファンのガス精製施設団地に報復攻撃をおこなっている。

 アラブ首長国連邦(UAE)を基盤とするコンサルティング会社「カマール・エナジー」の最高経営責任者ロビン・ミルズ氏はウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)に対し、「ペルシャ湾周辺の石油化学施設が損傷すると、ホルムズ海峡の通行が正常に戻ったとしても数カ月以上にわたって精製原料の輸出が一日あたり500万バレル減少するだろう」と語った。英国のシンクタンク「チャタムハウス」のニール・クィリアム研究員はWSJに、「石油化学施設は繊維、自動車部品、包装などの多くの分野に必要不可欠な原材料を供給しているため、製造業全体に生産のボトルネック現象、コスト上昇、失業を引き起こす可能性がある」と述べた。

 国連のアントニオ・グテーレス事務総長は報道官を通じて発表した声明で、「特定の民間インフラが軍事的な標的とみなされたとしても、過度な民間人への被害が予想されるとしたら、国際人道法はそのような施設に対する攻撃を禁じている」と述べた。そして「国際紛争の平和的解決以外に現実的な代替案はないため、もう当事者はこの対立をやめるべきだ」と述べた。

キム・ジフン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/arabafrica/1253020.html韓国語原文入力:2026-04-07 13:50
訳D.K

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