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イランの原発付近に4度目の空爆…元IAEA事務局長「この異常者を説得してくれ」

登録:2026-04-06 08:20 修正:2026-04-06 08:57
3日、米軍とイスラエル軍の空爆により、イラン中部のイスファハンに近いバハレスタンで炎と煙の柱が立っている/AFP・聯合ニュース

 米国のドナルド・トランプ大統領が4日(現地時間)にイランに対し「48時間の最後通牒」を突きつけた中、米国とイスラエルはイランのエネルギー・産業施設に強い攻撃を加えた。

 イラン国営のIRNA通信は「米国とシオニスト(イスラエル)の犯罪的攻撃により、4日朝に1発の飛翔体が(イラン)南西部のブシェール原子力発電所の近くに着弾した」と報じた。この攻撃で警備員1人が死亡し、原発に付属する建物が破壊されたが、原子炉などの主要施設は損傷していないとIRNAは伝えた。米国・イスラエルとイランとの戦争でブシェール原発が攻撃されたのは先月17日からで、今回で4度目。

 イラン政権は「放射能災害」を引き起こす可能性のある原発への攻撃を糾弾した。アッバス・アラグチ外相はソーシャルメディアのXへの投稿で、このような攻撃は放射性物質の降下を招きうるし、その被害は「イランの首都テヘランだけでなく、湾岸地域の住民の命をも奪いうる」と警告した。ロイター通信によると、アラグチ外相はこの日、国連に宛てた書簡でも、原発一帯への攻撃は放射能漏れにつながりうると語った。

 国際原子力機関(IAEA)は、原力周辺の放射線量の上昇は確認されていないと発表した。ただしIAEAのラファエル・グロッシ事務局長はXで、「核事故のリスクを回避するため、軍事行動はできる限り自制」せよと訴えた。

 IAEAの元事務局長で2005年にノーベル平和賞を受賞したモハメド・エルバラダイ氏(69)は、さらに強い口調で攻撃の中止を求めた。同氏はXへのアラビア語での投稿で、「湾岸諸国の政府に改めてお願いしたい。この異常者(トランプ大統領)がこの地域を火の玉にする前に、みなさんができる限りのあらゆることをしてほしい」と述べた。サウジアラビアやアラブ首長国連邦(UAE)などの地域の親米国に対し、軍事基地などを米国に提供したりせずに、戦争をやめるよう説得してほしいというのだ。

 同氏は英語でのXへの投稿でも国連、中国やロシアの政府、欧州理事会、フランスのエマニュエル・マクロン大統領に対して「この常軌を逸した行いを止めるためにできることは本当に何もないのか」と訴えた。

 イランの石油化学施設も米国とイスラエルの標的となった。イランの半官営メディア「ISNA通信」はこの日、イラン南西部フーゼスタン州のハヤティ副知事の言葉を引用し、「フーゼスターン州にるマフシャール石油化学特別経済区域内の企業に対する米国とシオニストの敵による攻撃で、5人が殉教(死亡)した」と発表した。ファルス通信によると、産業団地内の3社が空爆を受け、大規模な爆発が起きたという。

 イスラエルは産業施設への攻撃を継続すると述べた。イスラエルのベンヤミン・ネタニヤフ首相はこの日夜に公開した国民に対する映像声明で、「私はみなさんにテヘランのテロ政権に対する攻撃を続けることを約束し、まさにその通りにしている」として、「本日、我々は彼らの石油化学拠点を攻撃した」ことを認めた。続けて「(石油化学と鉄鋼産業の)2つの分野は、我々と全世界に対するテロ戦争に資金を提供する機械」だと主張した。

 戦争が長期化するにつれ、米国とイスラエルはイラン政権の指導部だけでなく、さまざまな民間インフラへと空爆を拡大している。イランのホセイン・シマイ・サラフ科学相は、2月28日の戦争勃発からこの日までに30以上のイランの大学が「直接の標的」になったと語った。今月2日には米軍がテヘランとカラジを結ぶ橋を空爆し、少なくとも8人が死亡、約100人が負傷した。その中には橋の下で休んでいた家族も含まれている。

 ル・モンド紙は「(米国とイスラエルの)当初の目標はイラン政権を弱体化させて民衆の蜂起を誘導することだったが、戦争が予想より長引くにつれて優先順位が変わりつつある」と指摘。そして「現在はイランの軍産複合体を体系的に破壊したうえで、イランを苦しみの中で屈服させ、ホルムズ海峡の開放を強制する方向へと戦略が移り変わりつつる」と述べた。

 一方、イランは湾岸諸国の工業団地や淡水化施設に対して報復攻撃を加えた。クウェートのエネルギー省は5日の声明で、「2つの電力・淡水化施設が敵のドローンの標的となった。それによってかなりの物的被害が発生したため、2つの電力生産施設の稼働が停止した。人命への被害はなかった」と明らかにした。イラン軍はIRNA通信で発表した声明で、クウェート国内の米軍の軍事施設とUAEのアルミニウム産業施設も攻撃したと主張した。

チョン・ホソン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1252730.html韓国語原文入力:2026-04-05 17:40
訳D.K

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