米国のドナルド・トランプ政権の相互関税無効化にともなう「代替関税」措置をめぐり、日本政府はすでに妥結した米日関税合意より不利な扱いを受けないよう要請した。
経済産業省は24日、「2月23日(月曜日)、赤沢経済産業大臣は、米国のハワード・ラトニック商務長官と電話会談を行った」として、「両閣僚は、日米両国政府から『戦略的投資イニシアティブ』の第一陣プロジェクトが先般発表されたことを歓迎するとともに、今後、更なる詳細を調整し、各プロジェクトを早期かつ円滑に実施できるよう日米間で引き続き緊密に連携していくことを確認した」ことを明らかにした。
特に経済産業省は、「赤沢大臣から、米国政府が新たな関税措置をとる中で、日本の扱いが昨年の日米間の合意より不利になることがないよう申し入れた」と説明した。これに先立ち米国連邦最高裁は20日、トランプ大統領が国際緊急経済権限法(IEEPA)に基づき主要各国に相互関税を課したことを違法と判断している。これに対抗してトランプ大統領は、判決直後に通商法122条を発動し、150日間継続可能な世界一律10%の関税を発表。その後、これを15%に引き上げることを表明した。
木原稔官房長官もこの日の定例会見で、「(米国連邦最高裁の)判決の内容および措置の影響等を十分に精査しつつ、米国政府の対応を含む関連の動向や、昨年の日米間の合意に与えうる影響について、引き続き高い関心を持って注視していく」としたうえで、「(日本政府は昨年の関税交渉の)合意を引き続き着実に実施していく考えであり、同時に米国に対しても、合意を着実に実施するよう引き続き求めていく」と述べた。
日本としては、当面は既存の相互関税と同じ関税率が適用されるとみているが、トランプ大統領の突然の行動によって、日本経済全体に不確実性が広がっている。この日、野村総合研究所は報告書で「(当初トランプ大統領が言及した)新たな10%の関税となる場合、日本の実質GDPは1年間で0.125%押し上げられる計算となる。一方、早期に15%に引き上げられれば、追加的な経済効果はほぼ生じないことになる」としたうえで、「ただし、関税が15%に引き上げられるかどうかは確かではない」と予想した。
さらに報告書は、「今回新たな関税の根拠とした通商法122条は、巨額かつ深刻な貿易赤字が発生している場合に最長150日間、最大15%の関税を認めるもの」だとしたうえで、「150日後に通商法232条や通商法301条に基づく恒久的な関税に移行できるかはなお不確実だ。仮に移行するとしても、対象品目をかなり縮小させる可能性があるのではないか」と解説した。