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ロシア、ウクライナのエネルギー施設を攻撃…キーウ近郊の大型発電所を破壊

登録:2024-04-13 11:12 修正:2024-04-13 12:30
ロシア軍の大規模な空爆が行われた11日(現地時間)、ウクライナの首都キーウの住民たちが地下鉄駅に避難している=キーウ/ロイター・聯合ニュース

 ロシアがウクライナ各地のエネルギー施設を攻撃し、首都キーウ近くの大型発電所が完全に破壊され、第2都市ハルキウでは大規模な停電が発生した。ロシアは今回の攻撃について、今年に入りウクライナ軍がロシア内のエネルギー施設を攻撃したことに対する報復であり、ウクライナの非武装化の試みの一部だと明らかにした。

 ウクライナの首都キーウと近隣地域に電気を供給する国営トリピルスカ火力発電所は11日(現地時間)、ロシア軍のミサイルとドローン攻撃で完全に破壊された。AP通信などが報じた。この攻撃で変圧器と発電機が破壊され、発電所の建物で火災が発生した。

11日(現地時間)、ロシア軍の攻撃を受けたウクライナのキーウ近郊のトリピルスカ発電所から煙が立ちのぼっている=キーウ/ロイター・聯合ニュース

 国営の発電所運用会社セントレネルゴのアンドリー・ホタ監査委員会議長は、ロシア軍の最初のドローンが発電所に接近すると、労働者は緊急避難し、発電所に火災が広がるのを手の付けようもなく見守ったと伝えた。彼は「すべてが破壊された」とし、残骸の中に残っていた人を探すための捜索作業が攻撃後数時間続いたと話した。

 この発電所から電力を供給される300万人の住民は、電力供給網の転換のおかげで停電を免れた。だが、東部に位置するウクライナ第2都市ハルキウでは、電力施設が10回以上攻撃を受けた影響で電力供給が途絶え、住民20万人が被害を受けた。

 電力供給網運用会社のウクレネルゴは、西南部の黒海沿岸のオデーサ、中部のザポリージャ、西部のリビウなどにある発電施設と変電所も攻撃を受けたと明らかにした。ロイター通信によると、北東部のロシア国境付近の地域であるスミの火力発電所も同日午後に攻撃を受けた。天然ガスを貯蔵する地下貯蔵所2カ所も攻撃されたが、運営が中断されることはなかったとエネルギー会社ナフトガスが明らかにした。

 ウクライナ空軍は同日、ロシア軍が82機のミサイルとドローンを動員して攻撃し、このうち18機のミサイルと39機のドローンを撃墜したと発表した。

 ウォロディミル・ゼレンスキー大統領は、ソーシャルメディアへの投稿で、この日の空爆をテロと規定し、西側諸国に向けて「我々に必要なのは、目をつぶって長期間討論することではなく、防空支援だ」と訴えた。

 ドミトロ・クレバ外相も同日、スロバキアを訪問した席で「何を討論する案件があるのか。問題は一つだ。我々に(米国製の)パトリオットミサイルを送ってほしい」と訴えた。

 ロシア国防部は今回の攻撃について、ウクライナによるロシアのエネルギー施設攻撃に対する報復だと明らかにした。ウクライナ軍は1月21日、サンクトペテルブルク近くの港にあるエネルギー施設をドローンで攻撃するなど、今年に入ってロシアのエネルギー施設を10回以上攻撃した。

 ロシアのウラジーミル・プーチン大統領はこの日、ベラルーシのルカシェンコ大統領と会い、「我々のエネルギー施設に対し最近相次いだ攻撃に対応する義務があった」とし、「エネルギー施設の攻撃はウクライナの非武装化という目標と関連したもの」だと述べた。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1136353.html韓国語原文入力:2024-04-12 11:29
訳C.M

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