本文に移動

ロシア占領地のザポリージャ原発に攻撃…IAEA「起きてはならないこと」

登録:2024-04-09 05:39 修正:2024-04-09 07:03
ロシア「ウクライナがドローンで攻撃」…ウクライナ「我々とは無関係」
ロシアが占領しているウクライナのザポリージャ原発の衛星写真=プラネットラボ/AP・聯合ニュース

 国際原子力機関(IAEA)が7日(現地時間)、「ロシアが占領しているウクライナのザポリージャ原発内の原子炉に対する攻撃が1年5カ月ぶりに起きた」とし、「これは原発事故の危険を大きく高めることだ」と批判した。

 AP通信などの報道によると、IAEAのラファエル・グロッシー事務局長はこの日、ソーシャルメディアX(旧ツイッター)への投稿で、「ザポリージャ原発の原子炉が設置された建物のうち、少なくとも3棟が直接的な攻撃に遭ったことを確認した」と明らかにした。さらに今回の攻撃が「2022年11月に原発事故を防ぐ5つの基本原則を提示して以来、初めて発生したもの」だとし、「起きてはならないこと」だと批判した。

 グロッシー事務局長は、今回の攻撃が誰によるものかについては直接取り上げなかったが、ザポリージャ原発を管理するロシアの運営会社「ロスアトム」はウクライナ軍の攻撃を受けたと明らかにした。同社は声明を出し、同原発がこの日3回のドローン攻撃に遭い、この攻撃で3人が負傷したと伝えた。ロスアトムの社員食堂周辺が攻撃を受けた後、貨物荷役場と第6号原子炉が入っている建物が相次いで攻撃されたと説明した。ただし、原発周辺の放射能水準は正常値を維持していると付け加えた。

 IAEAは別途の事務局長声明を出し、現場に派遣された専門家たちがドローン攻撃を通知されたとし、「その内容はIAEAが目撃したものと一致する」と明らかにした。また「今回の事態はザポリージャ原発が直面した安全と安全保障上の危険を大きく高めること」だとし、「大型原発事故の危険性を大幅に高めるこのような無謀な攻撃は直ちに中断されなければならない」と強調した。

 欧州最大規模の原発であるザポリージャ原発は、2022年2月末にロシアがウクライナに侵攻した直後の3月からロシア軍が占領している。その後、原発周辺で戦闘や砲撃などが起こり、原発事故の懸念が高まったことを受け、IAEAは同年9月、現場監視のための専門家を派遣し、原発の安全を監視している。同原発にある6基の原子炉はすべて稼動中止状態だ。

 ロシアとウクライナは、原発をめぐる責任攻防を繰り返した。ロシア外交部のマリア・ザハロワ報道官はソーシャルメディアへの投稿で、今回の攻撃を「原子力テロ」としたうえで、世界の指導者たちにウクライナの攻撃を糾弾するよう呼びかけた。一方、ウクライナ国防省情報総局(HUR)のアンドリー・ユーソフ報道官はソーシャルメディアへの投稿で、「ウクライナ原発領域に対するロシアの攻撃はよく知られた犯罪行為」だとし、ウクライナ側は今回の攻撃と無関係だと主張した。

シン・ギソプ先任記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/europe/1135642.html韓国語原文入力:2024-04-08 10:42
訳H.J

関連記事