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サルに「ビュッフェ」を提供していたタイの街…「捕獲して収容」することにした理由は

登録:2024-04-09 07:00 修正:2024-04-19 11:28
バンコクの北にあるロッブリー、かつては「サルは街のアイデンティティ」 
個体数が増えて観光客が減り、餌を得るため人間を攻撃
2020年11月29日(現地時間)、タイのロッブリーで開かれた「モンキー・ビュッフェ・フェスティバル」で乳酸菌飲料を飲んでいるサルの様子/EPA・聯合ニュース

 タイのある地方自治体がサルを捕まえて収容しておくという計画を発表した。ここではもともとはサルの祭りが開かれたりもし、サルを見にくる観光客も多いが、個体数があまりにも増えて人間を攻撃しているためだ。

 4日(現地時間)付のAP通信などによると、タイのロッブリーは、街にいるサル約2500匹を捕まえて大きな檻に収容するという計画を立てた。タイ中部に位置するロッブリーは、首都バンコクから北に約140キロメートルの位置にあり、市内各所を自由に歩き回るサルを見にくる観光客が多い。毎年11月末には果物を積み上げてサルが自由に食べられるようにする、別名「モンキー・ビュッフェ・フェスティバル」が開催されたりもするほどだ。タイではサルは、野生動物保護法による保護種に指定されている。

 しかし、この数年間でサルの個体数が増加し、コロナ禍の影響で観客数が減ると、サルたちは餌を得るために人間を攻撃し始めた。先月には食べ物を奪い取ろうとするサルに背中を蹴られた女性が膝が脱臼し、食べ物袋を持っていこうとするサルのために男性がバイクから転落したりもした。

 これを受け、当局は約2500匹のサルを捕獲し、大型の檻に収容する計画を立てた。まずは特定エリアに集めた後、少しずつ他の地域にサルを移動させるというものだ。当局は今月初めに、攻撃性が激しい一部のオスザルから捕獲を始めた。当局は以前、サルの個体数調節のために、2014年から2023年までの10年間に約2600匹を不妊・去勢手術を行った。しかし、今でも昨年末時点でロッブリーには約5700匹のサルが棲みついており、市内だけで2200匹が歩き回っている。

 もともとサルは、この地域のアイデンティティを構成する存在だと考えられたが、食べ物を盗むなどの被害を及ぼすにつれ、地域住民たちの考えも変わってきている。ロッブリーで暮らす住民のファイロスさんは現地メディアのインタビューで、「人々はサルがいなきゃロッブリーじゃないと言ったりもする。そんなふうに言う人たちには自分の家にサルを連れていってほしい。(そういう人たちの)家ごとに5~10匹ずつ分けてあげなければ。(サルのための)食べ物の配達は私が手伝う」と語った。

 タイの天然資源環境省傘下の国立公園・野生動植物保存局のアタポル・チャロエンシュンサ事務総長は「人間がサルを傷つけることも望まないし、サルが人間を傷つけることも望まない」として、「野生動物の専門家らと協力し、一定数のサルが街で自由に過ごすことのできる道を探る」と述べた。

2020年11月29日(現地時間)、タイのロッブリーで男性と子どもが路上を歩き回るサルを見ている/EPA・聯合ニュース

チョ・ヘヨン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )

https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1135653.html韓国語原文入力:2024-04-08 12:57
訳M.S

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