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オランダ元首相夫妻「ともに安楽死」…70年連れ添った末、手を取り合って旅立つ

登録:2024-02-14 06:45 修正:2024-02-14 07:32
9日(現地時間)、ドリス・ファン・アフト元首相が設立した「権利フォーラム」研究所は、ファン・アフト元首相と夫人のユージェニー女史が5日、93歳で死亡したと発表した。ファン・アフト元首相が卒業したオランダのラドバウド大学のホームページより//ハンギョレ新聞社

 オランダのドリス・ファン・アフト元首相夫妻が自宅で合法安楽死で共に息を引き取った。

 9日(現地時間)、ファン・アフト元首相が設立した「権利フォーラム」研究所は、ファン・アフト元首相と夫人のユージェニー女史が5日、93歳で死亡したと明らかにした。権利フォーラム研究所は「ファン・アフト元首相が70年以上連れ添い、常に『マイ・ガール』と呼んでいた夫人のユージェニー女史と共に手を取り合って旅立たれた」と伝えた。葬式は非公開で執り行われた。

 権利フォーラムのヘラール・ジョンクマン研究所長はオランダの公共放送「NOS」に「ファン・アフト夫妻は非常に重い病気を患らっていたが、『お互いなしでは生きていけなかった』」と語った。夫婦ともに健康に問題があったものとみられる。「NOS」は、ますます多くの夫婦が安楽死で一緒に人生を終える形を選んでいると報じた。

 オランダは2002年、世界で初めて積極的安楽死を合法化した国だ。ただし、患者が自発的に安楽死を要請した場合、患者の苦痛が絶望的で耐えられない場合、合理的な他の解決策がない場合など、6つの条件を満たせば、安楽死を認める。安楽死には、医師が薬物を投与する方法とともに、医師が提供した薬を患者が直接投薬する方法もある。

 オランダでも共に安楽死を選ぶ事例は珍しいが、最近は増加傾向にあると、英国の「ガーディアン」が10日付で報じた。2020年に26人(13組)、2021年に32人(16組)、2022年には58人(29組)が安楽死で共に生を終えた。ただし、オランダの安楽死専門機関「Expertisecentrum Euthanasie」の広報担当、エルケ・スワート氏は同紙に「共に安楽死を選ぶことへの関心が高まっているが、(実際共に安楽死を選んだ事例は)依然として非常に稀だ」とし、「2人ともに回復の見込みがなく、耐えられないほど苦痛を受けており、2人とも安楽死を望むのは全くの偶然」だと語った。

9日(現地時間)、ドリス・ファン・アフト元首相が設立した「権利フォーラム」研究所は、ファン・アフト元首相と夫人のユージェニー女史が5日、93歳で死亡したと発表した。「権利フォーラム」研究所のホームページより//ハンギョレ新聞社

 元弁護士のファン・アフト元首相は、「キリスト教民主党(CDU)」所属で、1970年代初めに政界入りした。法務部長官を務めた後、1977~1982年に首相を務めた。ファン・アフト元首相は2019年、ある行事で演説中に脳卒中で倒れ、その後、健康状態が良くなかったという。

 オランダのマルク・ルッテ首相は9日、X(旧ツイッター)に「ファン・アフト元首相は二極化と政党刷新の時代にオランダ政治に色彩と実体を与えた」と弔意を表した

チョ・ユニョン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1128032.html韓国語原文入力:2024-02-13 21:28
訳H.J

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