2023年6月20日(現地時間)、米国カリフォルニアのサンタ・バーバラ・ビーチに、波に打ち上げられたアシカの死体がある。米国国立海洋大気庁(NOAA)は、6月8日から14日までの間、南カリフォルニアの沿岸で、1000頭を越える海洋哺乳類が死んだり病気になった状態で発見されたと報告した。アシカは数百頭、イルカは100頭ほどが死んだ。実際、死んだ状態あるいは死にかけの海洋動物が目撃され、毎日200件あまりの通報がなされている。
専門家らは、毒性の珪藻(けいそう)類であるプセウドニッチア(Pseudo-nitzschia)が急激に増殖したため、海洋動物が大量死したとみている。赤潮を引き起こす植物性プランクトンなどであるプセウドニッチアは、ドウモイ酸という神経毒素を生成する。
ドウモイ酸は、哺乳類や鳥類に発作や脳損傷を誘発し、死に至らしめる。海中の魚介類やイワシなどがプセウドニッチアを食べ、ドウモイ酸が含まれたこの生物をイルカやアシカが摂取することによって、全体の生態系が影響される。
毎年3~6月に増殖する珪藻類が、気候変動によって水温が高まり急激に拡散していることも原因だ。南カルフォルニア大学のデービッド・キャロン教授は「気候変動が現在目撃されている有害藻類の問題を悪化させたとするかなりの証拠がある」と述べた。国立海洋大気庁は「ドウモイ酸が蓄積された魚介類などを直接食べない限り、プセウドニッチアが人間に直接影響を与えることはない」と伝えた。