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米国、サル痘で緊急事態宣言「政府の最優先課題」

登録:2022-08-06 02:41 修正:2022-08-06 08:07
4日に米国保健福祉省、治療へのアクセス性を高め、ワシントンD.C.と50州で統計共有 
性的マイノリティのコミュニティへの支援など国家的対応強化
4日、米カリフォルニア州ロサンゼルスのオブレゴン公園で100人以上の人々がサル痘ワクチンを接種するために並んでいる/EPA・聯合ニュース

 サル痘の感染者が6600人以上発生している米国は、同病の拡散を防ぐために公衆衛生上の緊急事態を宣言した。

 米国の保健福祉省(HHS)は4日、サル痘について公衆衛生上の緊急事態(PHE)を宣言すると発表した。同省のハビエル・ベセラ長官はこの日のブリーフィングで「サル痘の勃発を終息させることはバイデン政権の最優先課題」だとし、「私たちはこのウイルスの解決のために、より高い段階の対応策を取る準備ができている。すべての米国人に対し、サル痘を深刻に考えることを勧告する」と述べた。今回の宣言は、バイデン政権が世界的に急速に広がるサル痘の深刻さを認め、対応を強化するためのものだ。HHSの発表によると、3日現在で6600人あまりのサル痘感染者が発生しており、感染者のほとんどが男性と性的関係を結んだ男性だった。

 2日にはホワイトハウスがサル痘を管理監督する省庁横断型の対応チームを設置するとともに、ロバート・フェントン氏を対応調整官に任命している。この日、フェントン調整官は「バイデン大統領が私たちに電話をかけてきて、地域社会を感染から守るのに必要なあらゆる方法を探るよう注文した。私たちは新型コロナウイルスへの対応から学んだ教訓を生かす」と述べた。

 今回の宣言は、米連邦政府がサル痘に対応するための資金とツールを確保し、必要な統計をワシントンD.C.および50州で迅速に共有するのに役立つと期待される。宣言によって連邦政府には、ワクチンの投与件数、検査件数、入院統計などを州政府から速やかに収集する権限が生じる。これまでは資金の少ない性健康クリニックに、ワクチンと治療薬が不足していた同疾病を管理させてきたが、今回の宣言によって政府が強力に対応するという意志を示したかたちだ。

 HHSの発表によると、今回の宣言には、ワクチン生産と使用の大幅拡大▽治療機関へのアクセスの強化と患者負担の軽減▽性的マイノリティのコミュニティの構成員に対する支援活動などが含まれている。

 バイデン大統領の首席医療諮問官である国立アレルギー・感染症研究所のアンソニー・ファウチ所長はこの日、ロイターに対し「地域社会の参加は常に成功が立証されてきた」とし、サル痘の発症を抑制するための努力の一環として、ゲイ・コミュニティの代表に防疫に参加してもらうと述べた。ただし、彼らの生き方に汚名を着せることには警戒しなければならないと強調した。

キム・ミヒャン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr )
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1053648.html韓国語原文入力:2022-08-05 11:22
訳D.K

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