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韓国、サル痘疑われる患者2人確認…「国内感染」ではなく入国前に症状発現

登録:2022-06-22 10:42 修正:2022-06-22 11:16
20日に入国した外国人1人 
入国前の19日、症状発現 
翌日の21日、病院訪問 
ドイツから入国した韓国人1人も 
入国時に本人自ら申告し 
現在、診断検査を進行中
サル痘ウイルス=CDC/シンシア・S・ゴールドスミス//ハンギョレ新聞社

 韓国で韓国人1人と外国人1人が、サル痘への感染が疑われる患者として検査を受けている。

 疾病管理庁は、21日に国内で全身症状および皮膚病変症状を示したサル痘疑いの患者2人が発生し、現在検査を進めていると22日発表した。

 最初の患者は20日に航空便で入国した外国人。19日から喉の痛み、リンパ節病症などの全身症状とともに、水疱性の皮膚病変症状が発生したことが把握され、この外国人は入国翌日の21日午前、釜山所在の病院を来院した。その後、病院が午後4時にサル痘の疑い事例として申告し、現在、当病院の隔離病床で治療している。

 2人目の患者はドイツから21日午後4時に帰国した韓国人で、入国前日から頭痛の症状と微熱、喉の痛み、無力症、疲労感などの全身症状および皮膚病変を示していた。仁川空港入国後、本人が疾病管理庁に直接疑い申告をしており、空港検疫所と中央疫学調査官によって疑似患者に分類された。空港隔離施設で待機後、国家指定入院治療病床である仁川医療院に移送され、治療中だ。

 防疫当局はサル痘の診断検査および疫学調査を進めており、検査結果が出次第、さらなる対応計画について案内する予定だ。

 サル痘瘡は中・西部アフリカの風土病として知られているウイルス性疾患だ。最近では5月7日に英国で報告があった後、風土病の国ではなく欧州や北米、中東など世界各国で拡散している。世界保健機関(WHO)のデータによると、今月15日までに世界42カ国で2103件のサル痘感染事例が報告されたが、アフリカ地域が64件(3%)で、残りは英国(524件)、スペイン(313件)、フランス(125件)など欧州を中心とした非風土病地域だった。WHOは「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」(PHEIC)の宣布を検討するために、23日に緊急会議を招集することにした。PHEICは現在、新型コロナウイルスと小児まひに対してのみ適用されている最高レベルの警報段階だ。

 サル痘ウイルスはDNAウイルスで、天然痘ウイルスと同じオルソポックスウイルス属の一種。症状も天然痘と似ているため、天然痘のいとこと呼ばれる。かゆみを誘発する発疹がぶつぶつと全身に出るとともに、インフルエンザと似た高熱と痛みを伴う。発疹は後に膿のつまった水ぶくれになる。感染後、症状が発現するまでの潜伏期間は通常6~13日。症状の持続期間は14~21日で、自然に回復する場合が多いと知られているが、WHOはこのウイルスの致命率が3~6%水準だと発表している。

 コロナウイルスは主にエアロゾルという小さな飛沫を通じて広がるが、サル痘ウイルスは唾液のような体液との密接な接触を通じて伝播する。科学者たちは、サル痘患者や患者が使用した服・寝具類に密接に接触した人はこの病気に感染する恐れがあると警告していると、AP通信が報じた。

 海外でサル痘が拡散すると、政府は先月24日、韓国への流入を防ぐため、入国監視システムを強化すると発表した。先月31日にはサル痘の危機警報水準を「関心」レベルとして発令した。8日にはサル痘の国内流入時の迅速な対応のために、この病気を2級感染症に指定した。2級感染症は、伝播の可能性を考慮し隔離が必要な感染症で、新型コロナウイルス感染症、結核、水痘など22種が指定されている。

チャン・ヒョヌン記者 (お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/society/health/1047993.html韓国語原文入力:2022-06-22 09:47
訳C.M

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