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日本メディア「安倍首相の死亡で日韓関係改善が一層困難に」

登録:2022-07-20 06:31 修正:2022-07-20 06:58
岸田政権、自民党保守派に気を使わざるを得ない状況
今月10日に行われた参議院選挙で「大勝」を収めた岸田文雄首相が今月11日午後2時、東京自民党本部で今回の選挙を振り返り、今後の政策方向を示す記者会見を行っている=東京/ロイター・聯合ニュース

 日本自民党内の保守・右翼の求心点だった安倍晋三元首相の死亡で、岸田文雄首相が歴史問題をめぐって韓国との妥協点を見出すことがさらに難しくなったという分析が日本メディアから出た。パク・チン外交部長官が就任後初めて林芳正外相と会談し、強制動員被害者賠償問題を早期に解決することで意見が一致したが、解決策作りは容易ではないとみられる。

 朝日新聞は19日、「(4年3カ月ぶりに)ようやくこぎ着けた今回の会談だが、参院選のさなかに安倍晋三元首相が銃撃され、死亡する事件が発生。関係改善に向けて前向きな姿勢を打ち出しにくくなった」と報じた。自民党保守派の中堅議員は同紙に「安倍氏が党内保守派をまとめ、岸田政権を支えていた。今後の(岸田首相の)対応次第では、保守派が一気に離れる可能性がある」と述べた。党内で巨大な影響力を発揮した安倍元首相の不在で、岸田首相は「保守派」全般に気を使わなければならない状況に追い込まれたのだ。

 同紙は「岸田政権が歴史問題で韓国と『妥協』したと映れば、保守派の反発を招く恐れがある」と報道した。自民党内の保守派を中心に韓国が解決策を示すまで、日本が動いてはならないというムードが強い。このような理由から、パク・チン長官の岸田首相の表敬訪問も、訪日日程の終盤にやっと実現したという。日本政府関係者は同紙に「官邸内では首相がパク氏と面会するかどうかで、慎重論が出たという。このため、パク氏訪日の発表も会談3日前の15日夜までずれ込んだ」と明らかにした。パク長官と岸田首相は19日午後に面会した。

 パク長官の訪日は、尹錫悦(ユン・ソクヨル)政権が強く求めたという。日本外務省幹部は同紙に「韓国側は政権交代を機に出てきた関係改善に向けたムードを途切れさせたくはないとの意向から、パク氏訪日に動いた」と述べた。読売新聞は「日本政府が参院選直後のタイミングで外相会談に応じたのは、日韓関係改善に積極的な尹政権の体力がある任期当初に元徴用工問題を打開したいとの思惑もある」と報じた。同紙は「だが、尹政権の支持率は早くも下落しており、元徴用工問題で困難な政治判断を下せるかどうかは不透明だ」と付け加えた。

 尹政権は強制動員被害者賠償問題を解決するために日本の協力が必要だとみている。強制動員被害者が求めている謝罪と賠償において、三菱重工業や日本製鉄など被告企業の参加がある程度確保されなければ、問題の解決が困難になる。尹大統領の側近は毎日新聞に「韓国政府だけで原告や世論が納得してくれる解決案を作るのは難しい。日本側にも何らかの協力をしてもらわないと現金化は止められない」と語った。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1051505.html韓国語原文入力:2022-07-2002:31
訳H.J

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