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中国、「火に油を注ぐな」…安保理の北朝鮮制裁に反対

登録:2022-04-11 05:41 修正:2022-04-11 07:52
訪米した中国外務省の劉暁明朝鮮半島問題特別代表 
北朝鮮の相次ぐICBM発射にも、従来の立場を改めて強調
米ワシントンを訪問した中国外務省の劉暁明・朝鮮半島問題特別代表が今月7日、ソン・キム米国務省北朝鮮政策特別代表と会談し、記念撮影を行っている=劉暁明特別代表のツイッターより//ハンギョレ新聞社

 北朝鮮の相次ぐ大陸間弾道ミサイル(ICBM)発射実験にもかかわらず、中国は米国に対し、国連安全保障理事会(安保理)レベルの追加の北朝鮮制裁に反対する立場を伝えた。北朝鮮が、最大の祝日である「太陽節」(故金日成主席の誕生日)110周年となる今月15日前後に、ミサイルの発射または核実験の再開などに乗り出すかもしれないという懸念が高まる中、従来の立場を改めて強調したわけだ。

 10日の中国外務省の発表内容によると、今月4日~7日にワシントンを訪問した劉暁明・朝鮮半島問題特別代表は、ウェンディ・シャーマン国務副長官やカート・キャンベル米国家安全保障会議(NSC)インド太平洋調整官、ソン・キム国務省北朝鮮政策特別代表など米高官らと会談し、朝鮮半島の状況について意見を交わした。

 中国外務省は「今回の訪問で劉特別代表は、朝鮮半島問題に関する中国の原則的な立場を示した」とし、「現在の状況で最も重要なのは、関係国が冷静を保ち、自制心を発揮して、緊張を高める行動を避けることだと強調した」と伝えた。安保理レベルの北朝鮮制裁決議の採択を「緊張を高める行為」と規定したわけだ。劉特別代表も前日、ツイッターに掲載した文で、「国連安保理は朝鮮半島問題の政治的解決のため、建設的な役割を果たさなければならない」とし、「火に油を注ぐ代わりに、緊張緩和と対話に導く行動を取らなければならない」と主張した。これまで中国はロシアとともに安保理レベルの北朝鮮制裁の猶予と緩和による交渉の再開を求めてきた。

 これに対して米国側は「朝鮮半島で平和と安定を維持し、非核化を実現することは、米中両国の利害に合致する。米国は中国との対話と協力を強化し、朝鮮半島問題の政治的解決過程をともに進めていく」と述べたと、中国外務省は付け加えた。

 今年に入って北朝鮮は計13回のミサイル発射実験を行い、このうち3回はICBMだった。国連安保理は2013年1月に採択した決議第2087号に、北朝鮮が弾道ミサイル発射または核実験を行う場合、自動的に「重大な措置」を取る、いわゆる「トリガー」条項を設けた。

 これに先立ち、国連安保理は先月25日に会議を開き、北朝鮮の大陸間弾道ミサイル「火星17型」の発射実験問題について話し合ったが、中国とロシアの反対で制裁決議案の採択はもちろん、法的拘束力のない議長声明さえ出せなかった。当時、中国の張軍国連大使は「北朝鮮は核実験と弾道ミサイル発射のモラトリアム(猶予)の約束を守ったが、米国は韓米合同軍事演習の中止など相応の措置を履行しなかった」とし、「安全保障をめぐる北朝鮮の正当な懸念を受け入れるべきだ」と主張した。

チョン・インファン記者(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/international_general/1038239.html韓国語原文入力:2022-04-1013:59
訳H.J

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