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難民に消極的な日本、ウクライナ避難民に異例の支援行う理由は

登録:2022-04-07 05:43 修正:2022-04-07 10:11
政府専用機で20人が5日入国…首相主導 
日本の難民認定、1%にとどまるが 
ウクライナの特殊性を強調、政策変化するかは不透明
岸田文雄首相の特使として今月1日にポーランドに派遣された林芳正外相がウクライナからの避難民20人を日本の専用機に乗せ、5日に羽田空港に到着した/ロイター・聯合ニュース

 これまで難民受け入れに極めて消極的な態度を示してきた日本が、ウクライナからの避難民を政府専用機で連れてきて、積極的な支援に乗り出している。だが、国内外の世論を意識して首相官邸が主導しているだけで、難民政策の根本的変化にはつながらないだろうという指摘が出ている。

 岸田文雄首相の特使として今月1日にポーランドに派遣された林芳正外相は、ウクライナから避難民20人を日本専用機に乗せ、5日に東京の羽田空港に到着した。日本政府は彼らに一時滞在場所と生活費、医療費を支給する予定で、本人が希望すれば日本語教育、就労も支援することにした。日本は3日基準で404人のウクライナ避難民を受け入れた。日本非営利団体(NPO)の「難民支援協会」の石川えり代表理事は読売新聞に「日本政府の以前の対策に比べると、非常に迅速かつ充実している。驚いた」と語った。

 日本政府がウクライナ避難民への対応に積極的に乗り出した背景には、国内外の世論が影響したものとみられている。日本政府関係者は同紙に、国際社会から『難民受け入れに消極的』というイメージを払拭するため、今回積極的な支援に乗り出したと強調した。当初、法務省は消極的だったが、首相官邸が主導したという。外務省関係者は朝日新聞に「日本は軍事的な支援が限られているなか、貢献策の一つとして首相の思いがある」と話した。また別の政府関係者は、「結局、世論だ」とし、「一時的なことかもしれないが、ウクライナの避難民の受け入れに国民の8、9割が賛成している」と語った。

 日本は経済的地位に比べ、国際社会で難民政策に消極的と言われてきた。1982年に難民認定制度を導入して以来、8万人以上が難民申請を行ったが、約1%の800人だけが認められた。難民支援協会の資料を見ると、2020年、日本で難民として認定されたのは47人に過ぎない。同じ主要7カ国(G7)であるドイツ(6万3456人)や米国(1万8177人)などと大きな差がある。

 ウクライナ戦争を契機に、日本の難民政策の変化がみられるかどうかに関心が集まっている。日本政府はウクライナの特殊性を強調している。 松野博一官房長官は5日の記者会見で、「今回はウクライナの危機的状況を踏まえた緊急措置だ。ウクライナ以外の紛争国と比較するのは難しい」と述べた。日本政府はウクライナからの避難民の場合、情勢が安定すれば大半が帰国を望むとみている。もし難民申請があれば、別途審査を行う方針だ。

東京/キム・ソヨン特派員(お問い合わせ japan@hani.co.kr)
https://www.hani.co.kr/arti/international/japan/1037769.html韓国語原文入力:2022-04-0614:55
訳H.J

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