これまで難民の受け入れに消極的だった日本が、戦争でウクライナから脱出した避難民を受け入れるため積極的に乗り出している。公営住宅を支援し就職も許容することにした。
岸田文雄首相は15日、古川禎久法相に会い、ウクライナを脱出した避難民を受け入れるため国内システムを作るよう指示した。日本経済新聞は16日「台湾有事の可能性をにらみ米欧と足並みをそろえて対応する必要性も重視した」と伝えた。
まず、避難民の受け入れ対象が拡大される。これまでは日本に家族や親戚がいる人のみ入国可能だった。だが首相の指示を根拠に、今後は日本に家族などがいなくても入国が可能になる。また、ウクライナからの直接入国だけでなく、ポーランドなどにすでに避難した人を受け入れる方案も推進中だ。13日現在までに日本に来たウクライナ難民は47人。
就職も許容する。ウクライナ避難民に対して就職が可能な「特定活動」(1年)在留資格を付与することにした。現在までは就職が許されない最長90日間の短期滞留資格だった。公営住宅などの支援もなされる。東京都と大阪府はそれぞれ100世帯の公営住宅を確保し、横浜市と愛知県もそれぞれ80世帯、40世帯の住宅を用意した。さらに東京都は、ウクライナ語など4言語で対応可能な電話相談窓口を用意し、大阪府は約60社の企業に就職支援を依頼することにした。
一方、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)は、ロシアのウクライナ侵攻で15日現在ウクライナ難民が300万人を超えたと明らかにした。